江戸後期の文人で、狂歌師であった大田南畝(おおたなんぽ、別号に蜀山人、四方赤良など)は、随筆『一話一言』に京名物を、「水、水菜、女、染物、みすや針、御寺、豆腐煮、鰻鱧、松茸」と狂歌に詠んでいる。

 この中の「水菜」は京野菜の一つで、東日本では「京菜」という名称の方が有名だろう。昔の京都では「水菜」や「京菜」というと、いわゆる「水菜」ではなく、「壬生菜(みぶな)」をさしていることが多かった。大田南畝のいう「水菜」とはどちらのことか、それは定かでない。

 「水菜」の一品種が「壬生菜」で、いずれも冬に旬を迎える京野菜である。もともと東寺(南区)付近の壬生地域でつくられていた。

 「水菜」は葉が細長く、葉先が柊(ひいらぎ)のように細かいギザギザになっており、食べると、みずみずしいショリショリとした舌触りが特徴である。一方の「壬生菜」は、葉は細長いもののギザギザがなく、食感がぽってりと柔らかい。好みによって生食もよいし、おひたしや漬け物にもよく合う。噛むと淡いえぐみがあって、これが肉や魚の臭みを消してくれるので、ハリハリ鍋などの冬の鍋料理には欠かせない存在だ。

 また、「水菜」も「壬生菜」も、京都の人にとっては正月に欠かせない野菜の一つである。正月の三箇日に白味噌雑煮を食べたあと、4日に焼き餅と水菜だけでつくる「すまし雑煮」を食べる人が多い。京都の古い家庭では、4日に鏡開きをする所もあるので、飾っておいた「お鏡さん」を下げ、「すまし雑煮」で祝うことを習わしにしている地域もある。

 

   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 高齢者の運転事故が多発している。『週刊新潮』(11/24号、以下『新潮』)は80代ドライバーの愛車は「走る凶器」と化していると形容しているが、たしかに日本中が息を潜めて高齢ドライバーに戦(おのの)いている。

 11月12日に立川市で起きた事故について全国紙の社会部デスクがこう話す。

 「83歳の女性が、病院の敷地内で、歩行中の30代の男女を撥ね殺してしまったというものです。現場の状況から、女性は車を駐車場から出し、料金を払おうとしたところでブレーキと間違ってアクセルを踏んでしまったと見られている。車は精算所のバーを折り、20メートル暴走して歩道に乗り上げて2人を撥ね、コンクリートの壁にぶつかって大破して止まりました。ブレーキをかけた形跡はなく、本人も頭や胸を打ってそのまま入院しました」

 公益財団法人「交通事故総合分析センター」の統計によれば、2014年に80歳以上が自動車などで死亡事故を起こした件数は266件、1993年は62件だったというから約20年で4.3倍に増えていることになる。3日に2件以上にもなるのである。

 「80歳以上のドライバーが死亡事故を起こす確率は64歳以下と比べると実に3.75倍。オーバー80の免許保有者は2015年末で約196万人(警察庁『運転免許統計』)もいる」(『新潮』)というから、これから事故はますます増えるはずだ。

 加齢によって運動能力や判断力は低下する。認知症になるリスクも高まる。しかし、高齢者ドライバーに共通しているのは「自分は大丈夫だ」という思い込みだ。

 『新潮』で都内のある自動車教習所の教官がこう指摘している。

 「高齢者の事故が報じられていても皆さん“どうして逆走なんかしちゃうんだろうね”“アクセルとブレーキなんて踏み間違えないでしょ”と自分は別だと考えている。でもそういう中にも逆走や踏み間違いを行い、それにすら気が付いていない方がいます」

 どこへ行けば免許更新できるの? オレは毎年、郵便局で更新しているんだという「日常生活も心配になる方が来て、平気で車に乗っているのです」(先の教官)

 家族が付き添ってきて、更新できないように落としてほしいと懇願するケースもあるという。

 しかし免許更新で認知症があるとわかっても、高齢者講習は合否を問うものではないから、講習を終えれば、どんなひどい結果が出ても免許を取り上げることはできないのだ。

 来年3月から改正道路交通法が施行され、認知症の「おそれ」があると判定されれば、即座に診断して、認知症なら免許取り消しということになるそうだが、この検査自体、アルツハイマー型認知症を見つけるためのもので、認知症の3分の1を占めるレビー小体型など、運転に影響が極めて大きいものを見逃してしまうと、専門家から批判が出ている。

 それ以外は、事故や違反を起こした場合にのみ、医師の診断を受けて、認知症などがあれば初めて取り消しとするしかないのだ。

 認知症が原因で事故を起こし死亡させても、危険運転致死傷罪にはならず、重度の認知症だった場合、責任能力を問えずに不起訴になる場合もある。こうなると被害者は殺され損ということになる。

 『新潮』は「80歳以上の車はタイヤを外す」という極論がいずれ出てくるというが、今のところは自主返納してもらうしか打つ手がないようだ。

 『週刊ポスト』(12/2号、以下『ポスト』)によれば、65歳以上の免許保有者1710万人のうち昨年1年間で返納した人は27万人にすぎないと報じている。『ポスト』は、75歳、80歳とか、年齢だけで線引きすることには違和感があるという。

 たしかに50歳でも運転の危ういドライバーはいるし、80歳を超えても矍鑠(かくしゃく)とした人はいる。

 認知症も、症状がそれぞれ違うから、一概に認知症の“気”があるから免許を取り上げろというのに異論があることもわかる。

 それに地方では、クルマがないと暮らしが立たない人たちが多くいることも事実である。

 私の知っている地域では、周囲の健康な人がボランティアとして車を運転して、一人で出歩けない高齢者たちを助けている。

 日に何回か巡回バスを運転して、買い物や医者通いを援助している過疎地域もある。

 『ポスト』は「踏み込んでもノロノロにしかバックしない機能のついたクルマ」や、高級車には装備されてきた追突前に緊急停止する自動ブレーキを軽自動車にも装備することを考えるべきだと提案している。

 もうすぐ4人に1人が後期高齢者になる時代が来る。それまでに「人殺しの道具」のような自動車を、人を殺さない道具に変えるために、自動車会社は研究費を注ぎ込むべきであること、言うまでもない。

 もはや燃費や操作性などどうでもいい。安全、安全、安全、これしかない。それができないのならば、個人所有の車を廃止して共有の乗り物に変えるしかないと、私は思う。

 それまでの暫定措置として、いまの目立たないシルバーマークを日の丸のような大きく目立つマークに変えて、車のバンパーやルーフに張ることを義務づける(現在は表示するように努める)というのはどうだろうか。

 「日の丸を見たら気をつけろ!」と、歩行者が自衛するしかいまのところ事故を減らす手立てはないようだ。

 ちなみに私は、自分の運転能力のなさに気づいて、40代半ばで運転免許を自主的に失効させた。後期高齢者諸君、チョットおかしいと感じたら、君たちもそうしたらどうか。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 トランプ氏が大統領になってからの舵取りがどうなるのか、なかなか見えてこない。外交政策はかなりタカ派になると予想されるが、肝心の国内政策がどうなるのか。小池都知事と同じように大風呂敷を広げたため、トランプ自身だけではなく、周囲もどうしたらいいのか、具体策がなく困惑しているということなのだろうか。日本の週刊誌はトランプ景気が来るなどとはしゃいでいるが、共和党は財政規律に厳しい党だといわれる。これから共和党内で激しい主導権争いが起きるのは必至だろう。

第1位 「安倍が考える『1月トランプ解散』」(『週刊現代』12/03号)
第2位 「銀行員が買わない投信・金融商品 保険会社の社員が買わない保険」(『週刊現代』12/03号)
第3位 「『ダイオキシン上海蟹』でレストラン大パニック 他にも危険な中国食材はこんなにある」(『週刊現代』12/03号)

 第3位。上海ガニは私の大好物である。先日も六本木の中国飯店で酔っぱらいガニを堪能してきた。
 毎年一度はこれを食べないと1年が終わらない。中国でも何度も食べた。だが、本場はカニを蒸すのが正式な食べ方で、老酒漬けというカニは食べられないと思う。
 だが、『現代』によると、11月2日に香港の食品衛生管理当局が、中国江蘇省の水産会社2社が養殖した上海ガニから基準値の5倍を超えるダイオキシンが検出されたと発表し、市中から800kgの回収を決定したという。
 この2社は、香港に出回る上海ガニの7~8割のシェアを占めていたという。
 そのための余波が日本にも及び、先ほどの中国飯店では、「中国政府が今回の件を調査中だそうで、当面、輸出禁止になりそう」だというのだ。
 中国の上海ガニは、正統なものは「陽澄湖」というさほど大きくない湖で育ったものをいうが、そんなものは数がしれている。
 よく聞くのは、カニを大量に運んで来て、「陽澄湖」にザブンとつけて、上海ガニでございというものだが、これなどはまだ品のいいほうだ。
 あまりにひどいものが出回るので、「陽澄湖」のカニだという証明に、一つずつナンバーがついたタグをつけていたが、そのタグの偽物が大量にでてきて何の役にも立たなくなってしまった。
 何しろ中国には偽物だけを集めた展示会が開かれるほど、偽物が出回っている国である。
 不衛生なところで養殖されたカニは、日本にも大量に入ってきているのは間違いない。
 中国飯店のカニは本物だと信じたいが……嗚呼!

 第2位。『現代』に、銀行がすすめる投信や金融商品、保険会社がすすめる保険を買ってはいけないという巻頭特集がある。
 私は銀行と保険会社は信じてはいけないという親からの言い伝えを守っているから、こんなことを何で今さらとは思うが、読んでみた。
 三菱東京UFJ銀行の都内支店に勤務する40代の銀行員がこう明かしている。

 「銀行では投資信託と定期預金をセットにした商品を販売しています。当行だと『ウェルカム・セレクション』が、それにあたります。定期預金に50万円以上、投資信託を新規に購入すると、定期預金の金利が3%になるというものです。現在の定期預金金利は年0.01%ですから、『実に300倍!』とセールスするわけです。
 そのうえ、退職金の運用で、投資信託と定期預金の合計資金が500万円以上なら、さらに1%の金利が上乗せされます。
 しかし、これにダマされてはいけません。3~4%の高金利がつくのは契約後3ヵ月のみ。仮に250万円の定期なら、税引き後で2万円程度の利息です」

 セットで買わされる投資信託は購入時の手数料が3%台。資産を金融機関に運用してもらう対価として、信託報酬は年2%前後が多いから、仮に250万円相当の投資信託を購入して計5%のコストがかかったとすると、12万5000円以上が銀行の手数料として持っていかれてしまう。
 2万円の利息をもらうのに12万円以上の手数料を支払うことになる。こういう商法を詐欺商法というのだ。
 みずほ、三井住友も同様である。保険については今さら書くほどのことはない。
 気をつけよう、甘い言葉と大銀行。馬鹿を見るのはいつも正直で少し思慮の浅い顧客である。

 第1位。今週はすべて『現代』の記事になった。こんなことは初めてである。トランプショックのためか、『文春』、『新潮』に冴えがない。
 その『現代』に、安倍首相が北方領土解散ではなく、トランプ解散を1月にやるのではないかという記事がある。
 あわてふためいて安倍首相はトランプに会いに行き、朝貢外交、土下座外交と揶揄されているが、それさえも口実にして、何とか1月解散をやりたいと目論んでいるというのだ。
 それにトランプはビジネスマンだから、アメリカの景気が上向き、その風が日本にも吹くかもしれないという、甘すぎる見通しでいるというのだから、この男の頭の中には、オカラぐらいしか詰まっていないのかもしれない。
 いつも言うが、日本人というのは物事を真正面から見ようとしない民族である。あれほどバカトランプ、史上最低の大統領と言っていたのに、会ってニッコリされれば、アイツはいいやつだ、信用できると、何の根拠もないのに信じてしまう。
 敗戦後、アメリカに占領されれば女は強姦され、男どもは殺されるか重労働を課せられると怯えていたのに、マッカーサーが天皇と会って友好的に話しただけで、コイツはいい人だ、信用できると妄信してアメリカ一辺倒になって恥じるところがない。
 トランプ、プーチンロシア大統領、習近平、みな一筋縄でいく相手ではない。ましてや安倍のように後先を考えずに、相手の懐へ無防備に飛び込んでいく人間なんぞ、相手は信用しない。
 トランプで株が上がる、トランプで景気が上向く、それをメディアもおかしいと批判せずにお先棒を担ぐのでは、もはやメディアなどいらない。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 オードリー・ヘップバーン主演の名作『ティファニーで朝食を』。日系アメリカ人「ミスター・ユニオシ」なる珍妙なキャラクターが登場するが、演じるのはニューヨーク生まれの俳優、ミッキー・ルーニーだ。完全にコントのようなメイクによるメガネに出っ歯といった、この時代の典型的日本人像で描かれている。1961年の公開当時はまだ、映画における人種の表現というものがセンシティブではなかった。

 一般には、日本人はこうした問題に鷹揚だといわれる。『ドラゴンボール』がハリウッドで映画化されても、そのザツな改変にはガッカリするものの、アジア系であるところの孫悟空を白人が演じることに関して「まあガイコクの作品だから」と、さほど不満の声が上がらない。だが、当のアメリカでは、近年この問題がよく語られるようになっているらしい。「原作はアジア人なのに、それを映画化の際に白人が演じる」、これが「ホワイトウォッシング」と呼ばれるものである。

 クールジャパンを代表するコンテンツ『攻殻(こうかく)機動隊』(士郎正宗のコミック)の映画化がアメリカで進んでいるが、ヒロイン・草薙素子(正確には「草薙素子に当たる役」で、役名が日本人名になるとは限らない)に扮するのは、人気女優のスカーレット・ヨハンソンだ。現地の熱心な「オタク」たちのあいだでは、少なからぬ不満の声が上がっており、改めてホワイトウォッシングに関する論議が活発化している。

 映画会社のトップたちは、「集客が望める、予算の確保ができる俳優は白人ばかりで、アジア系にそれだけのビッグネームがいない」というロジックを語る。一方、アジア系の俳優たちは、「自分たちがチャンスをつかむ機会を減らしている」と主張することになる。人種の問題は難しい。ハリウッド映画をシンプルに楽しんでいるだけのわれわれ日本人も、少しだけ鈍感な気質を自覚していいのだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 10月26日に世界経済フォーラム(通称、ダボス会議)が発表した「ザ・グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書2016」で、日本は「男女格差111位」という不名誉な烙印を捺されることになった。

 この報告書は、経済、教育、保健、政治の4分野について、各国の男女格差を数値化し、その総合点で順位付けが行なわれる。

 日本は前年の101位から順位を下げ、144か国中111位。先進7か国中では最下位だ。 4つの分野別では、教育が76位、保健が40位で、比較的、男女格差は少ないものの、経済は118位、政治は103位。日本の女性は、高等教育(大学など)の進学率の上昇は評価されたが、男性に比べて相対的に低い女性の所得水準、圧倒的に少ない女性の技術職や専門職の人数などで、経済分野での評価が低くなった。

 また、国会議員の女性比率は122位、女性管理職の比率は113位で、過去50年間で一度も女性の首相が誕生していないことも男女格差拡大の要因として挙げられている。

 アベノミクスでは、しきりと「女性活躍」が謳われているが、実態には程遠いことが、この報告書によって浮き彫りになったのだ。

 一方、2016年に男女格差がもっとも少なかったのは、8年連続でアイスランド。ついで、2位がフィンランド、3位がノルウェー、4位がスウェーデン、5位がルワンダとなっている。これら男女格差の少ない国に共通するのが、クオータ制を積極的に取り入れていることだ。政治に関わる人などを男女平等にするために、一定の比率で人数を割り当てるクオータ制を導入することで、男女共同参画を進めてきたという経緯がある。

 日本では、女性の社会参加が進まない理由を、女性自身の意識の問題として片付けようとする風潮がある。だが、今回の報告書の結果は、クオータ制の導入が生み出したことはあきらかで、男女格差が少ない国でも法整備なしでは、ここまでの成果を上げられたかどうかはわからない。

 「女性の活躍」と掛け声だけ勇ましくても、それを実現するための法整備がなければ、なかなか社会は変わっていかない。日本が、本気で女性の社会進出を促すなら、努力義務に留めるだけではなく、明確な数字を示した平等法の導入が必要ではないだろうか。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 贅沢なキャンプ(グラマラス+キャンピング)であるところの以前「旬ワードウォッチ」で紹介したグランピングは、マスコミで盛んに取り上げられ、いまやそれなりに知名度のある言葉になったようだ。いま、充実したプライベートを志向する層のあいだで注目される「ベランピング」とは、このグランピングをもじった造語である。

 実際のところ、ベランピングはグラマラスとはほど遠く、決してセレブさが漂うものではない。家のベランダを有効活用して、洒落たアウトドア的な時間を楽しむことをさしている。もちろん、ある程度の広さを持つベランダがあれば、友人を集めたホームパーティーのようなグラマラスなひとときを満喫するのも可能だ。だが、自分なりにアイテムにこだわり、ひとりでオープンテラス的な雰囲気に浸る等身大の楽しみ方もまた、ベランピングといえよう。命名したのは、ライフにこだわった記事の多い女性誌『LaLa Begin』(世界文化社)。

 ロープのようなLEDライトでベランダの中を飾ったり、観葉植物など大きめの緑を置いたり、デッキチェアなど調度に凝ったり。かける予算は人それぞれ、ベランピングは思い思いのセンスで楽しむことが可能だ。もちろん、都市部においては住環境に左右される趣味だが、条件が合うならぜひ試してみたいリラクゼーションであろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 明治天皇の誕生日は11月3日だった。明治時代はその日を天長節、その後は明治節と呼んでいた。戦後、1948年に施行された祝日法は、明治節を廃止し、かわりに11月3日を「文化の日」と改めた。祝日法はその趣旨を、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」としている。ちなみに11月3日は、1946年に日本国憲法が公布された日である。その意味で、文化の日は、戦後の文化国家の礎を築いた現憲法と深く関わっているのは言うまでもない。

 明治維新から150年目の2018年を前に、祝日法を改正し、11月3日を「明治の日」にしようとする動きがある。

 2016年11月1日、都内で、保守系の市民団体「明治の日推進協議会」(塚本三郎会長)の会合が開かれ、「明治の日」の実現を訴えた。報道によると、約140人が参加し、自民党を中心に国会議員も14人が出席したという。出席した議員の顔ぶれをみると、稲田朋美防衛大臣や古屋圭司自民党選対委員長ら安倍晋三総理に近い人脈が目立つ。

 それにしてもなぜ、「明治」なのか。

 前出の推進協議会は声明で、「明治の日」を設ける趣旨に関連し、「明治時代を振り返ることを通じて国民としてなすべきことを考える」と強調。その上で、「年に一度は明治時代の意義を必ず振り返ることができるよう『明治の日』を制定することが施策の中心とされねばならない」としている。

 推進協議会は、祝日法の改正実現に向け、超党派の国会議員による議員連盟を発足させたい考えだという。

 こうした動きに対し、「今さらなぜ明治なのか。復古主義ではないか」「国民の間に定着した『文化の日』はどうするんだ」と、冷ややかな指摘も少なくない。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   



 アルバイトや派遣社員など、非正規雇用で生計を立てている人を意味する「フリーター」と、職に就かず、就職活動もしていない人を意味する「ニート」を合成した造語のこと。

 「たとえ非正規雇用でも、働いている以上はニートじゃないのでは?」といった矛盾をはらむ不思議な言葉であるが、一般的には「最低限の労働しかしないフリーター」を指す場合が多い……のだそう。

 ちなみに、「フニーター」同様、相反する意味の単語をかけあわせた造語は、よくよく探してみると、けっこう多かったりする。

プア充(経済的には貧乏だけと、毎日がリア充だと主張するポジティブシンキングのこと。あまり主張されすぎたらうっとうしい)
エロかわ(セクシーなのにフェミニンでもあること。どっちの要素もほどほどであるケースが大半。一方に突出していれば、かならずもう一方の要素は埋もれがちになるものだ。同類語:清純派AV女優)
赤身肉好き草食系男子(さっぱりとした淡泊なセックスにかぎってOKな選り好みの激しい男子のこと。「外見は草食系なのに内面は肉食系」を表す「ロールキャベツ男子」とは似て非なるもの)
ミスターチルドレン(子どもにも大人にもなれない人のこと。今年で結成27年目を迎えた大御所バンドの名前でもある)
プラマイ(「プラス・マイナス」の略語。これまでの造語とは少々ニュアンスが違う)

 以上、いかがだろう? 「いかがだろう?」と言われてもって感じだとは思うが……(笑)。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


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