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浮世物語

ジャパンナレッジで閲覧できる『浮世物語』の日本古典文学全集のサンプルページ

新編 日本古典文学全集
浮世物語(仮名草子集)
ひらがな
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浮世物語(仮名草子集) 全体

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【現代語訳】
一 浮世という事
「ちょっと古くなりましたが、俗謡の『おかしなものだ、心というのは、自分のものでありながら、少しもままにならぬとは』という歌を、身分ある人も庶民も、男も女も、老人も若者も、みなうたっています。『思いというのは叶わぬもの、だからこそ憂世さ』という歌もあります。何ごとにつけても、思いどおりにならず、ままにならないこの世だから、憂世とはいうのでしょう。『くつをへだてて足の裏をかく』とかいいますが、その諺のとおり、かゆい所に手が届かないように、うまくいきそうにみえて、もう少しのところでできないのは、ほんとうにじれったいものですが、自分のものでありながら身も心も思いのままにならないというのは、まことにおかしなものです。わが身さえままならぬのですから、まして世の中のことは、一つとして私の思いどおりになることはありません。だからまあ憂世なんでしょうね」とある人が言うので、私(作者)が、「いや、そういう意味ではありません。この世に生き

【目次】
浮世物語(扉)
梗概
浮世物語巻第一目録
一 浮世といふ事
二 浮世坊なりたちの事
三 博奕の事
四 博奕い見の事
五 傾城の事
六 傾城ぐるひい見の事
七 歩若党になりし事
八 名馬の用にたたざる事
九 喧かして牢人しける事
十 浮世房京うちまいりの事
浮世物語巻第二目録
一 鳩の戒の事
二 薬ちがひをせし事
三 大坂くだり 付 大工い見物がたりの事
四 米の直段高き事 付 穀象虫の事
五 天王寺詣での事 付 山桝に噎せたる事
六 住吉詣での事 付 堺浦潮干の事
七 篠田狐の事 付 狐に化かされたる事
八 餅に噎せて銭をやらざりける事
九 後悔の事
十 人に癖ある事
十一 賢人の事 付 狂泉を飲みし事
浮世物語巻第三目録
一 宗旨を尋ぬる事
二 侍の善悪批判の事
三 小謡を忘れたる事 付 武道ぶたしなみなる事
四 茶の湯をいましめたる事
五 寛闊者の事
六 ぬす人の事
七 鴈鴨の稲をくらふ難義の事
八 万事心得ちがひの事
九 鷹の爪を引闕きたる事
十 侍は常に武勇を心がくべき事
十一 万麁想なれば仕損ずる事
十二 自慢するは下手芸といふ事
十三 紙表具の狂哥の事
十四 浮世房主君の御子息い見の事
浮世物語巻第四目録
一 人にさまざまの品ある事
二 牛を売るとて佐奈田にたとへし事
三 足る事を知るといふ事
四 医学正伝の作者を知らざる事
五 人は万物にすぐれたる事
六 天の命ずる性といふ事
七 名月の狂哥の事
八 浮世房過去の世をさとりし事
九 七草をたたく狂哥の事
十 尺尊七十九歳涅槃し給ふ事
浮世物語巻第五目録
一 蝦の願立ての事
二 天道をおそるべき事
三 医師は生きながら仏なる事
四 不孝不肖の子は持たざるにはしかじといふ事
五 家を治むるつつしみの事
六 後言をいふべからざる事
七 浮世房蛻たる事

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検索コンテンツ
1. 『浮世物語』
日本史年表
1666年〈寛文6 丙午〉 この頃 浅井了意 『浮世物語』 京版刊(江戸版、寛文10年刊)。
2. うきよ‐ものがたり【浮世物語】
日本国語大辞典
時に好色なはなしをさすこともある。うきよばなし。*浮世草子・庭訓染匂車〔1716〕二・三「ためだめの浮世物語、しらけた空におどろきて」*われから〔1896〕〈樋
3. 浮世物語
日本大百科全書
仮名草子。5巻5冊。浅井了意りょうい作。1665年(寛文5)刊か。主人公浮世房の一代記という構想のもとに、その浮世遍歴を通して、現実社会の諸相を啓蒙けいもう、批
4. 浮世物語
世界大百科事典
仮名草子。浅井了意作。5巻5冊。1665-66年(寛文5-6)ころ京都で刊行され,版を重ねる。別版に70年刊の江戸松会版があり,1737年(元文2)大坂で再版さ
5. うきよものがたり【浮世物語】
全文全訳古語辞典
[書名]江戸前期の仮名草子。浅井了意作。一六六一年(寛文一)成立。主人公浮世房が諸国修業の旅をする間、各地で見聞した話を盛り込むという形式で綴られ、当時の世相を
6. うきよものがたり【浮世物語】
国史大辞典
盛り込んだ仮名草子の傑作。『日本古典文学大系』九〇などに収められている。 [参考文献]前田金五郎「「浮世物語」雑考」(『国語国文』三四ノ六) (前田 金五郎)
7. 浮世物語(仮名草子集)
日本古典文学全集
ことを総称して「仮名草子」と言う。出版され、世間に流布した。浅井了意による『かなめいし』と『浮世物語』、一休禅師のエピソード集『一休ばなし』、遊郭話を扱う『たき
8. 浮世物語(著作ID:663569)
新日本古典籍データベース
うきよものがたり 浮世はなし 浅井了意(あさいりょうい) 仮名草子 寛文初年刊
9. 再来志道軒浮世物語(著作ID:566256)
新日本古典籍データベース
さいらいしどうけんうきよものがたり 滑稽本 
10. あおい の 祭(まつり)
日本国語大辞典
「あおいまつり(葵祭)」に同じ。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「鴨の宮居に詣でつつ、葵(アフヒ)のまつり、競馬(きそひむま)見しは昔に成にけり」*雑
11. あか‐がえる[‥がへる]【赤蛙】
日本国語大辞典
り、皮と腸を取り去り、しょうゆで付け焼きにして食べさせる。やまがえる。《季・春》*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「疳の虫、癖の病ありとて、痩疲れたるを赤
12. あか‐はじ[‥はぢ]【赤恥】
日本国語大辞典
*俳諧・望一千句〔1649〕一「をしよする源氏の勢に驚て まくりしはたの色も赤はぢ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・三「うろたへては逃疵をしたたかに蒙り、
13. あがり‐なまず[‥なまづ]【上鯰】
日本国語大辞典
ていふ」(3)(「ぬめり」を失う意から)遊興で金銭を使い果たした者をいう遊里語。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「三味線を引寄せ、でつるてんと引(ひく)
14. あき‐だり【飽足】
日本国語大辞典
(いも)の命(みこと)は飽足(あきだり)に袖振る見えつ雲隠るまで〈人麻呂歌集〉」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕四・三「上戸の酒に飽足(アキダリ)のなきををか
15. あげや‐まち【揚屋町】
日本国語大辞典
里、島原(下京区西六条西新屋敷)の町名。島原の中央道路の南側の東から三筋目の町。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「衣紋(ゑもん)の馬場、噂(うはさ)町を
16. あ・げる【上・揚・挙】
日本国語大辞典
茶屋に集まるとか〈略〉云ふのが江戸普通の風俗で」(7)寺子屋、学校などに入れる。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「寺にあげて手ならひをさすれども、芸能の
17. 浅井了意画像
日本大百科全書
明暦の江戸大火のルポルタージュである『むさしあぶみ』(1661)、現実批判を笑いのなかで行おうとする『浮世物語』(1665ころ)、中国の怪異小説『剪燈新話せんと
18. 浅井了意
世界大百科事典
感と同情,現実社会への慷慨などにささえられ,いずれも読者の好評を博した。なかでも滑稽遍歴談《浮世物語》には,西鶴の《好色一代男》の先駆的要素と,痛烈な現世批判を
19. あさい‐りょうい【浅井了意】
日本国語大辞典
どを翻案した「御伽婢子(おとぎぼうこ)」、浮世房の一代記の形をとって現実社会を批判風刺する「浮世物語」などが代表作。享年は八十歳前後と推定される。生年未詳、元祿
20. あさいりょうい【浅井了意】
国史大辞典
りながら、それをはみだして、収奪・誅求に対する厳しい批判を形象化している。その第一の代表作『浮世物語』は、浮世草子への道を開いた楽天的近世的現実主義から注目され
21. あさい-りょうい【浅井了意】
日本人名大辞典
真宗大谷派。明暦元年教訓物「堪忍記」で評判をとり,以後「東海道名所記」,滑稽(こっけい)物「浮世物語」,怪奇物「御伽婢子(おとぎぼうこ)」などを発表。京都正願寺
22. 浅井了意[文献目録]
日本人物文献目録
条秀雄『浅井了意の事』藤井紫影『浅井了意の生涯』北条秀雄『仮名草子における教訓性と文芸性 「浮世物語」の構成をめぐって』鈴木亨『剪燈新話・伽婢子及び金鰲新話の比
23. あさゐれうい【浅井了意】
全文全訳古語辞典
もと摂津国(=大阪府)の住職、了意自身も晩年は京都の住職となる。『堪忍記』『東海道名所記』『浮世物語』『伽婢子』等、仮名草子の新機軸となる作品を次々と発表した。
24. あざむ・く【欺】
日本国語大辞典
もっている人」*日葡辞書〔1603~04〕「ハナヲazamuqu (アザムク) ヨソヲイ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・四「呉子・孫子をあざむき、末代の
25. あし=を[=も]空(そら)
日本国語大辞典
ことごとしくののしりて、あしをそらにまどふが」(2)気もそぞろになって浮かれ歩くさま。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・二「これより身持我儘になりて、足を空
26. 足(あし)を空(そら)
故事俗信ことわざ大辞典
うわついて歩きまわるさま。 落窪(10C後)二「車の男ども足をそらにてまどひ倒れて」仮名草子・浮世物語(1665頃)一・二「これより身持我儘になりて、足を空にな
27. あし を 留(とど)める
日本国語大辞典
留る事を不〓得候」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・一一「いざ我等の方へ来りて、足(アシ)を止(トド)め給へ」
28. あずま‐ばしょり[あづま‥]【東端折】
日本国語大辞典
〔名〕「あずまからげ(東紮)」に同じ。*談義本・教訓不弁舌〔1754〕二・老夫浮世物語「年寄(としよっ)たものの若盛の時にはやりし塗笠(ぬりがさ)、吉彌むすび、
29. あぜ‐あ・う[‥あふ]【戯合】
日本国語大辞典
〔自ハ四〕(「あざれあう」の変化した語)たわむれあう。たがいにたわむれる。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・一一「浮世房も似非者(えせもの)にて慰みがてらと
30. あたり‐まなこ【当眼】
日本国語大辞典
あたりまなこにねじける。仲ゐどもこまりはて」(2)(形動)目に触れるまま。衝動的なこと。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・一「徳もなく、芸も無き者、末を弁(
31. あっ た 物(もの)では無(な)い
日本国語大辞典
ある。この上もなく、最高である。空前絶後である。他に比類がないことをほめていう。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「筍(たかんな)のごとくなる御手にて差し
32. あと を 垂(た)る
日本国語大辞典
*更級日記〔1059頃〕「これもさきの世にこの国にあとをたるべき宿世(すくせ)こそありけめ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「五条西の洞院には天神の御
33. 跡(あと)を垂(た)る
故事俗信ことわざ大辞典
更級日記(1059頃)「これもさきの世にこの国にあとをたるべき宿世(すくせ)こそありけめ」仮名草子・浮世物語(1665頃)一・一〇「五条西の洞院には天神の御社、
34. あながち【強】
日本国語大辞典
玉の村菊「これはさきの斎宮と聞えさすれば、あながちに恐しかるべき事にもあらねど」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・六「盗人といふ者、あながちに外より来りて物
35. あぶな‐さ【危─】
日本国語大辞典
と。また、その度合。*日葡辞書〔1603~04〕「Abunasa (アブナサ)」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・一「先も見えねばあぶなさ言ふはかりなし」*
36. あま‐おち【雨落】
日本国語大辞典
*義経記〔室町中か〕三・書写山炎上の事「ころころと転び落ち、あまおちの石たたきにどうど落つ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・七「書院の軒に上りて雨おちへ飛
37. あまくさ‐いっき【天草一揆】
日本国語大辞典
天草・島原のキリシタンが起こした乱。一時幕府勢は苦戦したが、同一五年鎮圧。天草の乱。島原の乱。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・五「肥前の天草一揆(アマクサ
38. あま‐やか・す【甘─】
日本国語大辞典
此間あまやかひておひたに依て、そのつれな事をぬかす」*談義本・教訓不弁舌〔1754〕二・老夫浮世物語「父親(てておや)も娘子息子限らず、稚(おさない)よりあまや
39. あまり‐もの【余者】
日本国語大辞典
4〕「Amarimono (アマリモノ)〈訳〉意地の悪い青年など、手にあまる者」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・二「これ誠の道心者にあらず。世に捨てられた
40. あやつり【操】
日本国語大辞典
tçuri (アヤツリ)〈訳〉工夫すること。また技巧をこらすこと」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・三「賽に操(アヤツリ)を仕出し、人を抜きて金銀を取る事」
41. あゆみ を 運(はこ)ぶ
日本国語大辞典
し」*車屋本謡曲・放下僧〔1464頃〕「あゆみをはこふ神墻や、隔てぬ誓たのまん」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一〇「五条西の洞院には天神の御社、〈略〉年
42. あらぬ 事(こと)
日本国語大辞典
『あらぬこと』とだに言ひなされよ」(2)思いもよらぬこと。とんでもないこと。不都合なこと。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・四「只我一人心腹を立て、家に帰り
43. あらぬ 所(ところ)
日本国語大辞典
メヅカイヲ ミシライデaranutocoroye (アラヌトコロエ) スギ ユイタレバ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「この程けしからず行通ひ給ふ所、
44. あらぬ 外(ほか)
日本国語大辞典
とんでもないさま。不都合きわまりないさま。*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕五・五「惣じてあらぬほかの悪事をいたす」
45. あら‐みさき【荒御前・荒御裂】
日本国語大辞典
頃か〕下「仍諏方住吉を荒御先として諸神悉都へ神成て、みな本社にはわたらせ給はず」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・六「後に神宮皇后三韓を攻め給ひし時に、此明
46. あら‐もの【荒者】
日本国語大辞典
南都へ忍び御出である事「片岡、武蔵などのあらものどもを差遣はし、少々追討し給へ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕三・一四「主君の御子息殊(こと)の外のあらもの
47. あられ‐ぬ【有─】
日本国語大辞典
みる法行はるる。又龍の駒などを見などして、あられぬありさまをして、行ひたる人なり」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕二・九「大酒を飲みて心乱れ、あられぬ口をたた
48. あられん【有―】[方言]
日本方言大辞典
阿蘇郡948北日向方言圏紀行(加藤諄)1952宇治拾遺五・九「あられぬありさまをして、行ひたる人なり」仮名草子浮世物語二・九「大酒を飲みて心乱れ、あられぬ口をた
49. ありがた‐さ【有難─】
日本国語大辞典
いかでか思ひしられざらん」*日葡辞書〔1603~04〕「Arigatasa (アリガタサ)」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・六「又来(き)さんしたか。早う
50. あり‐よう[‥ヤウ]【有様】
日本国語大辞典
〔室町末~近世初〕「さてはおしりやった物じゃ、有様にいはふ、ありやうにいはしめ」*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕四・八「医師(くすし)通斎、浮世房に向ひ『其方
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