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都遷

ジャパンナレッジで閲覧できる『都遷』の日本古典文学全集のサンプルページ

新編 日本古典文学全集
都遷(平家物語)
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【現代語訳】
都遷
治承四年六月三日、福原へ帝(安徳天皇)が行幸なさるというので、京中騒然としている。ここ数日、遷都が行われそうだという噂だったけれども、いきなり今日・明日のこととは思っていなかったのに、これはなんとしたことだと、上も下も騒ぎ合っている。そのうえ、三日と決められていた予定が、もう一日繰り上げて、二日となったのであった。二日の午前六時頃に、もう行幸の御輿をさし寄せたので、帝は今年三歳で、まだ幼くていらっしゃったから、何もわからぬままにお乗りになった。帝がご幼少でいらっしゃる時のご同乗の者としては、母后が参られるものなのに、今度はそういうことはない。御乳母の平大納言時忠卿の北の方、帥の典侍殿が、同じ御輿にお乗りになった。先帝の中宮建礼門院、一院(後白河法皇)、高倉上皇も御幸なさる。摂政殿(基通)をはじめとして太政大臣以下の公卿・殿上人は、我も我もとお供なさる。三日に福原へお入りになる。池の中納言頼盛卿の宿所が皇居になる。同月四日、頼盛は宿所を皇居にした賞として、正二位になられる。九条殿(兼実)の御子、右大将良通

【目次】
巻第五(扉)
梗概
都遷
月見
物怪之沙汰
早馬
朝敵揃
咸陽宮
文覚荒行
勧進帳
文覚被流
福原院宣
富士川
五節之沙汰
都帰
奈良炎上

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検索コンテンツ
1. みやこ‐うつし【都遷・都移】
日本国語大辞典
他の場所にうつすこと。遷都(せんと)。みやこがえ。*源平盛衰記〔14C前〕二四・両院主上還御事「都遷(ミヤコウツシ)とて下り給ひたれども」*俳諧・武玉川〔175
2. みやこ‐うつり【都遷・都移】
日本国語大辞典
〔名〕都が他の場所へ移ること。遷都(せんと)。*今昔物語集〔1120頃か〕二七・一「其の霊は、昔未だ此の京に都移も无かりける時」*愚管抄〔1220〕三・桓武「み
3. みやこ-うつり【都移り・都遷り】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕都が他の土地へうつること。遷都。 「治承四年水無月のころ、にはかにみやこうつり侍りき」〈方丈記・都遷り〉治承四年(1180)陰暦六月頃、急に(福原に)遷
4. 略平家都遷(著作ID:1770963)
新日本古典籍データベース
やつしへいけみやこうつし 江島其磧(えじまきせき) 浮世草子 享保二〇刊
5. 爲奠都神社 (見出し語:神社)
古事類苑
地部 洋巻 第1巻 135ページ
6. 善光寺如來京都遷座 (見出し語:善光寺[信濃]【篇】)
古事類苑
宗教部 洋巻 第3巻 589ページ
7. 爲奠都丘墓 (見出し語:墓)
古事類苑
地部 洋巻 第1巻 134ページ
8. 平曲譜本(著作ID:467754)
新日本古典籍データベース
へいきょくふほん 平家灌頂都遷正節 平家曲節 平家正節 平家正節 平家正節間物拾三句 平家琵琶之譜 平曲小秘事 平家正節 平曲吟譜 平志吟譜 平曲 
9. 葵祭
日本大百科全書
賀茂祭に走馬はしりうまの行われるのもこれに基づくという。つまり、本来、秦氏などの鎮斎していた賀茂神が、京都遷都以降、皇城鎮護の神としてしだいに神威を高めるに及び
10. 秋篠寺
日本大百科全書
であった。寺の西側茂みに残る8個の礎石は五重塔の東塔遺跡であり、その往時の勢威がしのばれる。京都遷都後は衰微し、あまつさえ1135年(保延1)以来数度の兵火にか
11. あざむ・く【欺】
日本国語大辞典
れと言う。悪く言う。そしる。*日本書紀〔720〕天智六年三月(北野本訓)「是の時、天下の百姓、都遷することを願はずして諷諫(そへアザムク)者多し」*水鏡〔12C
12. あま・す【余す】
全文全訳古語辞典
❶余計なものとして取り残す。 「時を失ひ世に余されて、期する所なき者は、愁へながら止まり居り」〈方丈記・都遷り〉(出世の)機会を失い世に取り残されて、前途に期待
13. あら・ける【散・粗】
日本国語大辞典
院本類聚名義抄〔1241〕「散 アカツ アラク、散帰 アラケカヘル」*平家物語〔13C前〕五・都遷「楚章華(しゃうくゎ)の台をたてて黎民あらけ、秦阿房の殿をおこ
14. あり-と-し-ある【有りとし有る】
全文全訳古語辞典
の意)」と同じ語構成》あるかぎり全部の。すべての。 「ありとしある人は皆浮雲の思ひをなせり」〈方丈記・都遷り〉あるかぎりの人は皆浮雲のような落ち着かない不安な思
15. いえ の 賞(しょう)
日本国語大辞典
「女御・后などたびたび奉らせ給ひ、家の賞蒙り給ふこともたびたびにて」*平家物語〔13C前〕五・都遷「池の中納言頼盛卿の宿所、皇居になる。同四日、頼盛家の賞とて正
16. い-くゎん【衣冠】画像
全文全訳古語辞典
袍を着て、指貫をつけ、浅沓をはき、扇を持つ。 「衣冠布衣なるべきは、多く直垂を着たり」〈方丈記・都遷り〉衣冠布衣であって当然の人(=公家)は、(武家や庶民のよう
17. い‐こく【異国】
日本国語大辞典
ふきに、異国の人にいちの人のあひ給なきことなりなどぞそしり申さまし」*平家物語〔13C前〕五・都遷「きさき神功皇后御世をうけとらせ給ひ、〈略〉異国のいくさをしづ
18. いとけ‐な・い【幼・稚】
日本国語大辞典
三つの車を乞ふなれば、長者は我が子の愛(かな)しさに、白牛の車ぞ与ふなる」*平家物語〔13C前〕五・都遷「主上は今年三歳、いまだいとけなう在(まし)ましければ、
19. いなの【為奈野】兵庫県:川西市
日本歴史地名大系
「延喜式」左右馬寮に都に近い六ヵ所の牧の一つとして為奈野牧(現伊丹市)がみえる。なお延慶本「平家物語」巻五(都遷)に、遷都の候補地として「さらば播磨の稲美野か、
20. いなみ‐の【印南野】
日本国語大辞典
磨国まで来越えけるにや、いなみのなどきこゆるにぞ、あはれにおぼゆる」*平家物語〔13C前〕五・都遷「さらば播磨のいなみ野(の)か、なほ摂津国の児屋野かなんどいふ
21. いまいま・し【忌忌し】
全文全訳古語辞典
もったいなく(ございます)。❷縁起が悪い。不吉である。 「聞くもいまいましう恐ろしかりし事どもなり」〈平家・5・都遷〉聞くのでさえ不吉で恐ろしいことであった。❸
22. うき‐ぐも【浮雲】
日本国語大辞典
*篁物語〔12C後か〕「いささめにつけし思ひの煙こそ身をうき雲となりて果てけれ」*平家物語〔13C前〕五・都遷「ありとしある人は、身をうき雲のおもひをなす」【二
23. 浮き雲の思(おも)ひ
全文全訳古語辞典
浮き雲が漂っているような不安定な気持ち。 「ありとしある人は皆浮き雲の思ひをなせり」〈方丈記・都遷り〉あるかぎりの人は皆浮き雲のような不安な思いをしている。
24. うき-た・つ【浮き立つ】
全文全訳古語辞典
❸不安に浮き足だつ。(社会が)動揺する。 「日を経つつ世の中浮き立ちて、人の心も治まらず」〈方丈記・都遷り〉日がたつにつれ世の中が動揺して、人の心も不穏になり。
25. う‐はくこ【右白虎】
日本国語大辞典
〔名〕「うびゃっこ(右白虎)」に同じ。*平家物語〔13C前〕五・都遷「此地の躰(てい)を見るに、左青龍、右白虎(ウハクコ 高良本ルビ)、前朱雀、後玄武、四神相応
26. う‐びゃっこ[‥ビャクコ]【右白虎】
日本国語大辞典
〔名〕(「白虎」は西方の神)右方(西)に大道のあること。また、その位置やその地形。*高野本平家物語〔13C前〕五・都遷「此地の躰をみるに、左青龍、右白虎(ウビャ
27. うれ・ふ【憂ふ・愁ふ】
全文全訳古語辞典
うか。❷心配する。 「これを、世の人安からずうれへあへる、げにことわりにも過ぎたり」〈方丈記・都遷り〉この事(=平清盛ノ福原遷都)を、世の中の人々が不安そうに心
28. うれへ【憂へ・愁へ】
全文全訳古語辞典
悲哀。憂愁。 ❸気にかかること。心配。不安。 「民のうれへつひに空しからざりければ」〈方丈記・都遷り〉民衆の心配がとうとう現実となったので。
29. おうみおおつのみやあと【近江大津宮跡】滋賀県:大津市/中部地域/錦織村
日本歴史地名大系
。〔遷都の背景〕「日本書紀」天智天皇六年三月一九日条に「都を近江に遷す、是の時に、天下の百姓、都遷すことを願はずして、諷へ諫く者多し、童謡亦衆し、日日夜夜、先火
30. おもく・す【重くす】
全文全訳古語辞典
れ・せよ大切なものと考える。重んじる。 「人の心皆改まりて、ただ馬・鞍をのみ重くす」〈方丈記・都遷り〉人の心はすっかり変わって、(優雅な牛車ではなく、機動力のあ
31. 思ひを懸(か)・く
全文全訳古語辞典
思いをかける。望みをかける。 「官・位に思ひを懸け、主君のかげを頼むほどの人は」〈方丈記・都遷り〉官職・位階に期待をつなぎ、主君の恩顧に望みを託すほどの人は。
32. かい‐じん【海人】
日本国語大辞典
八百日行(ゆく)浜の真砂は」(2)(「海中の人」の意から)「かいじん(海神)」に同じ。*平家物語〔13C前〕五・都遷「御母は玉より姫、海人のむすめなり」
33. かい‐じん【海神】
日本国語大辞典
諸海神等集会ひて、此の山を築きたるよし語り侍りしかば」*延慶本平家物語〔1309~10〕二中・都遷事「神武天皇と申奉は〈略〉御母玉依姫海神大女也」*日葡辞書〔1
34. かう-らい【高麗】画像
全文全訳古語辞典
「こま」「かうくり(高句麗)」とも。 「女帝として、鬼界・高麗・契丹まで攻め従へさせ給ひけり」〈平家・5・都遷〉女帝として、鬼界(=薩南諸島)・高麗・契丹まで攻
35. かつ‐がつ【且且】
日本国語大辞典
6〕二「二三日ありて当に還るべし、師且(カツカツ)衙所に向ひたまへ」*平家物語〔13C前〕五・都遷「況(いはん)や五条まであらん都に、などか内裏をたてざるべき。
36. きゅう‐しつ【宮室】
日本国語大辞典
宮室之基〓」*平家物語〔13C前〕五・都遷「大和国となづけたるうねびの山を点じて帝都をたて、柏原の地をきりはらって宮室をつくり給へり」*
37. きり‐はら・う[‥はらふ]【切払】
日本国語大辞典
除(キリハラヒ)て此の宮を作る」*平家物語〔13C前〕五・都遷「柏原の地をきりはらて宮室をつくり給へり」*増鏡〔1368~76頃〕一一・さしぐし「かねてより山道
38. けい-しゃう【卿相】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕「くぎゃう(公卿)」に同じ。 「多くの卿相・雲客、あるいは流し、あるいは失ひ」〈平家・5・都遷〉多くの公卿や殿上人を、あるいは流罪にし、あるいは殺し。
39. けい‐たん【契丹】
日本国語大辞典
〔名〕「キタイ(契丹)【一】」に同じ。*高野本平家物語〔13C前〕五・都遷「神宮皇后御世をうけとらせ給ひ〈略〉鬼界、高麗、荊旦(ケイタン)までせめしたがへさせ給
40. こう‐おう[クヮウワウ]【皇王】
日本国語大辞典
載之徳以深、皇王至公」*平家物語〔13C前〕五・都遷「日向国宮崎の郡にして、皇王の宝祚を継ぎ」
41. 幸若舞 1 百合若大臣(ゆりわかだいじん)他 27ページ
東洋文庫
訣二人鹿一願像也。嫡室鏡女王為二鎌子一造二此丈六 像り山城国安二置山階寺つ後大和国高市郡安二置厩 坂寺つ都遷二平城一時、安二置当座つ井此釈迦白毫 内、鎌足公持念
42. 幸若舞 1 百合若大臣(ゆりわかだいじん)他 316ページ
東洋文庫
大路によって区切っ ている。これに比して、狭い土地であることをい う。参考:『平家物語』巻五、都遷「同六月九日、 新都の事はじめあるべしとて、上卿〔には〕徳大 
43. 幸若舞 1 百合若大臣(ゆりわかだいじん)他 318ページ
東洋文庫
し、大福長者であった とされ、福原遷都に際して、清盛から里内裏の造 営を命じられている(巻五、都遷)。なお、『平家 物語』によれば、経の嶋(築島)の奉行は、阿波
44. こ‐ぐるま【小車】
日本国語大辞典
〔名〕(1)小さい車。おぐるま。*平家物語〔13C前〕五・都遷「今は辻々をみな掘りきって、車なんどのたやすう行きかふ事もなし。たまさかに行く人もこぐるまに乗り、
45. 今昔物語集 251ページ
日本古典文学全集
川成此ヲ得テ見ルニ、其童極ク喜ビケリ。其比、此ヲ聞ク人極キ事ニナム云ケル。而ルニ、其比、飛弾ノ工ト云フ工有ケリ。都遷ノ時ノ工也。世ニ並無キ者也。武楽院ハ其工ノ起
46. こん‐みょう[‥ミャウ]【今明】
日本国語大辞典
五・二九「而に我、今明(こんみゃう)命終なれと。幸に君此に来り給り」*平家物語〔13C前〕五・都遷「此日ごろ都うつり有べしときこえしかども、忽ちに今明(コンミャ
47. ご‐げんむ【後玄武】
日本国語大辞典
方(北)に岡のあること。また、その位置や、その地形。ごげんぶ。*高野本平家物語〔13C前〕五・都遷「此地の躰を見るに、左青龍、右白虎、前朱雀、後玄武(ゴゲンム)
48. ご・す【期す】
全文全訳古語辞典
❸将来に希望を抱く。期待する。 「時を失ひ世に余されて期する所なき者は、愁へながら止まり居り」〈方丈記・都遷り〉(栄達の)時機を失し世間から取り残されて将来に期
49. さい-じん【才人】
全文全訳古語辞典
羽振りがよかった。❷有識者や技能にすぐれた人。 「大臣・公卿・諸道の才人らに仰せ合はせ」〈平家・5・都遷〉(桓武天皇は)大臣・公卿・各方面のすぐれた人達に相談な
50. さい‐てん【採椽】
日本国語大辞典
膳減〓服」*平家物語〔13C前〕五・都遷「茅茨きらず、采椽けづらず、周車かざらず、衣服あやなかりける世もありけん物を」*源平盛衰記〔1
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