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ところてん

ジャパンナレッジで閲覧できる『ところてん』の世界大百科事典のサンプルページ

改訂新版 世界大百科事典
心太
ところてん

テングサ,イギス,オゴノリなどを煮て寒天質を溶出させ,それを凝固させた食品。古くはテングサなどをさして〈こころぶと〉と呼び,心太と書いた。平安京の東西の市には〈心太〓〉があったが,この店のほかに〈海藻〓〉〈海菜〓〉もあったことからすると,この心太店はあるいはテングサ屋ではなくて,現在同様に加工されたところてんを売っていたのかもしれない。《七十一番職人歌合》には女のところてん売が登場し,ところてん突きで突き出している姿が描かれているが,彼女の詠んだ歌には〈こころぶと〉を〈こころてい〉とあり,この〈こころてい〉が変じて〈ところてん〉になったと,荻生徂徠はいっている。ところてんは,めん(麵)状に突き出したものに酢じょうゆ,からしじょうゆ,砂糖みつなどをかけて食べ,あるいはさいの目状に切ってみつ豆の材料とする。成分は99%までが水分で栄養分がないため,美容食としても利用される。なお,ところてんの一種に〈おきゅうと〉がある。昔は〈うけうと〉とも呼んだもので,エゴノリでつくる。博多地方で愛好されているものであるが,貝原益軒はどういう理由によるものか,〈佳品に非ず,食すべからず〉といっている。
→寒天
[鈴木 晋一]

[索引語]
七十一番職人歌合 ところてん売 おきゅうと うけうと
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検索コンテンツ
1. ところてん画像
日本大百科全書
いい、これからつくった食品ところてんも、初めはこころふとであったのが、こころてい→こころてん→ところてんに転訛(てんか)したものであろうといわれている。 ところ
2. ところてん[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©Shogakukan
3. ところてん[石花菜]
古事類苑
植物部 洋巻 第2巻 916ページ
4. ところてん【心太】[方言]
日本方言大辞典
(1)寒天。 大阪府泉北郡646和泉郷荘村方言(南要)1935(2)植物きくばどころ(菊葉野老)。 鹿児島県出水郡964鹿児島民俗植物記(内藤喬)1964(3)
5. 心太
世界大百科事典
いはテングサ屋ではなくて,現在同様に加工されたところてんを売っていたのかもしれない。《七十一番職人歌合》には女のところてん売が登場し,ところてん突きで突き出して
6. ところ‐てん【心太・心天・瓊脂】画像
日本国語大辞典
(1)寒天。《ところてん》大阪府泉北郡646 (2)植物、きくばどころ(菊葉野老)。《ところてん》鹿児島県出水郡964 (3)植物、まるばどころ(丸葉野老)。《
7. ところてん【心太】
数え方の辞典
▲本 盛りつけたものは「杯」で数えます。
8. 心太(ところてん) 【12か月のきまりごと歳時記】
生活便利帳
これを「天突き」と呼ばれる道具で突いて細長い紐状にし、三杯酢をかけて和がらしを添えて食べる。ところてんの製法は遣唐使によって中国から伝えられたとされるが、一般庶
9. ところてん【心太・心天・瓊脂】[頭見出し]
故事俗信ことわざ大辞典
心太(ところてん)に目鼻(めはな)付(つ)けたようなわろ・心太(ところてん)の拍子木(ひょうしぎ)
10. ところてん【心太】[標準語索引]
日本方言大辞典
/ てぃんすぃーかん / てぬ / てん / てんよ / とっからし盆の期間中、仏に供えるところてん:心太おかがみ / (ほとけ(仏))ほとけさま の鏡
11. ところてんうりせりふ(著作ID:4366157)
新日本古典籍データベース
ところてんうりせりふ 鸚鵡石
12. ところてん‐うり【心太売】
日本国語大辞典
子・好色一代女〔1686〕二・二「ところてん売(ウリ)が、此暑い夜あそんで居てよいもので御座るか」*随筆・守貞漫稿〔1837~53〕五「心太売、心太ところてん
13. ところてんが[方言]
日本方言大辞典
→ところめが[二]〔接続詞〕
14. ところてん‐がみ【心太紙】
日本国語大辞典
日に乾して紙状にしたもの。細工物などに用いられた。ビードロ紙。*万金産業袋〔1732〕六「ところてん紙〈略〉水晶の如くにして至極見事なる物也。〈略〉是を紙水晶と
15. ところてんぐさ【心太草】[方言]
日本方言大辞典
(1)植物つゆくさ(露草)。 栃木県塩谷郡201栃木県塩谷郡喜連川方言集(手塚邦一郎)1952(2)植物かわらなでしこ(河原撫子)。 島根県美濃郡964鹿児島民
16. ところてん‐ぐさ【心太草】
日本国語大辞典
てんぐさ(天草)。《ところてんぐさ》長州†122 和歌山県693 (2)植物、つゆくさ(露草)。《ところてんぐさ》栃木県塩谷郡201 (3)植物、かわらなでしこ
17. ところてん‐しき【心太式】
日本国語大辞典
〔名〕(心太が心太突きで突き出されるように)あとから押されて自然に押し出されること。また、そのような方式。
18. ところてん‐つき【心太突】
日本国語大辞典
〔名〕箱筒の一端に格子状の網目をとりつけ、他の一端から心太を入れて棒で押し、心太が細いすじ状になって出てくるようにした器具。
19. ところてん に 目鼻(めはな)付(つ)けたような者(わろ)
日本国語大辞典
気骨のない者をあざけっていう語。意気地なし。*譬喩尽〔1786〕一「登古呂天牟(トコロテン)に眼鼻(メハナ)付(ツケ)たやうな者(ワロ)」
20. 心太(ところてん)に目鼻(めはな)付(つ)けたようなわろ
故事俗信ことわざ大辞典
しっかりしたところのない男。意気地なし。「わろ」は「和郎」で、男をののしったり、親しみの気持ちをこめたりしていう。意気地なし。〔譬喩尽(1786)一〕
21. ところてん の 拍子木(ひょうしぎ)
日本国語大辞典
「大人(おとな)し」に掛けてしゃれていう語。また、張り合いがない意にも用いる。*風流すいことば〔1879〕「ところてん拍子木で、おとなし」*二人女房〔1891~
22. 心太(ところてん)の拍子木(ひょうしぎ)
故事俗信ことわざ大辞典
「おとな(大人)し」にかけたしゃれ。また張り合いがないの意でも用いる。 風流すいことば(1879)「ところてん拍子木で、おとなし」二人女房(1891)〈尾崎紅葉
23. ところてんばな【心太花】[方言]
日本方言大辞典
)1963(2)について、ところてんを作る時に入れるところから〔佐渡海府方言集〕。(3)について、花筒の両端を切り去り、一方から突き出すと花糸・花冠の下部がとこ
24. ところてん‐ばな【心太花】
日本国語大辞典
(1)ねむのき(合歓木)。《ところてんばな》新潟県佐渡348 (2)なでしこ(撫子)。《ところてんばな》新潟県佐渡348 岐阜県498 (3)かわらなでしこ(河
25. ところてん‐みせ【心太店】
日本国語大辞典
1686〕二・六「寸地のあきたるはなく、ところてん見世・野郎ざいもん」*狂歌・狂歌乗合船〔1730〕「竹床几池のはた迄つき出して扨もすずしきところてん店」
26. ところてん‐や【心太屋】
日本国語大辞典
*浄瑠璃・生玉心中〔1715か〕上「ところてんやの水がらくりも、そうそうは見て居られず」*狂歌・狂歌机の塵〔1735〕「秋くればおぎのうわ風そろそろとところてん
27. ところてんぐさ【心太草】[標準語索引]
日本方言大辞典
かんぶとてんぐさ【天草】
28. 生玉子(なまたまご)に心太(ところてん)〈俗信・俗説〉
故事俗信ことわざ大辞典
食い合わせが悪いとされる。〔日用同食養生心得〕
29. 塗(ぬ)り箸(ばし)=薯蕷(とろろ)〔=心太(ところてん)〕
故事俗信ことわざ大辞典
いっこうにかからない、なかなかだまされない。つかめなかったり、すべったりして、箸にかからないところからいうしゃれ。 譬喩尽(1786)二「塗箸(ヌリバシ)薯蕷(
30. あおむら【阿尾村】富山県:氷見市
日本歴史地名大系
岸網四ヵ統網下ろしの旨定められた(「来春網鬮場等定書上申帳」以上同漁業史)。このほか産物としてところてん草がある(「射水郡之内草木産物川々沼田所等書上申帳」加越
31. あまじむら【甘地村】兵庫県:神崎郡/市川町
日本歴史地名大系
る。前掲長崎紀行には前述の引用に続けて「前に細き溝川流る、名草の滝の流れなりといふ、此内にところてんを冷して売」と記されている。宝徳三年(一四五一)一二月一八日
32. あんばいさんばい【塩梅三杯】[方言]
日本方言大辞典
(「あんばい」は「あんばいず(塩梅酢)」、「さんばい」は「さんばいず(三杯酢)」の意か)ところてん。 福井県431若越方言集(福田太郎)1902
33. いい【好】[標準語索引]
日本方言大辞典
ものいっせき愛想のいい:好顔つきつらなりいい:好こところくいい:好ですねの意おえわいい:好ところてんいい:好ひと気のいい:好ひときよし / きよしんぼー / き
34. いきづみ‐こえ[‥こゑ]【息詰声】
日本国語大辞典
〔名〕いきみ声。いきばる声。*浮世草子・好色三代男〔1686〕二・六「ところてん見世、野郎ざいもんうはがれのいきずみ声(コエ)」
35. 生玉心中(近松門左衛門集) 338ページ
日本古典文学全集
手を叩く。ウあゝいと引くのがお定り.蒲鉾、梅干、すいな花車.気を通して立ちければ.中ウなうハル二日逢はぬはどうぢやいのと.ウ顔差し入るゝ編笠のフシ下こそ恋のやど
36. 生玉心中(近松門左衛門集) 339ページ
日本古典文学全集
本舗とする。『摂陽群談』の名産の部に「新道の和中散」とあり、そうした店が道頓堀の近くにあったか。ところてんを曲突きするのを、「水からくり出す」の意で「水からくり
37. いしだむら【石田村】長崎県:壱岐郡/石田町
日本歴史地名大系
物産は稲・大麦・小麦・大豆・小豆・蕎麦・麻・木綿などのほか、和布・搗和布・鹿尾毛・布苔・かせ・うに・ところてん・あまのり・海松など。同書の村全図に里名とは別に大
38. 出雲国風土記(風土記) 185ページ
日本古典文学全集
『和名抄』に「弁色立成ニ云フ、〓、於富、本朝式ニ白貝二字ヲ用フ」。『大系』には「バカ貝の類」。ところてん草。『和名抄』「大凝菜」に「古留毛波。俗ニ心太二字ヲ用ヰ
39. うけ‐うと
日本国語大辞典
〔名〕海藻「えごのり(恵胡海苔)」の異名。*大和本草附録〔1715〕一「うけうと 海草也。煮てところてんの如くかたまる。こんにゃくの色なるもあり。非
40. うしろじむら【後地村】広島県:尾道市
日本歴史地名大系
・大工・髪結・米屋・紺屋・屋根葺・油売り・鰯売り・豆腐屋・糊屋・塩屋・炭屋・筆屋・馬追い・ところてん売りなどの職業がみえる。村域内の社寺は万治二年の地坪之帳に六
41. うんてん‐ばんてん
日本国語大辞典
遊〉「『アー私の云ふ事は、ウンデンバンデンの違ひでげした』『何だいウンデンとは』『凝海藻(ところてん)の腐ったのでげす』」《うんてんばんてん》尾張宮†111 新
42. えご‐てん[ゑご‥]【恵胡天】
日本国語大辞典
〔名〕恵胡海苔(えごのり)で作った、ところてん状の食品。えごこんにゃく。えごねり。
43. エゴノリ画像
世界大百科事典
として採集される。エゴノリからつくられる九州博多地方の〈おきゅうと〉は名物として知られる。ところてんに似ているが,やや舌ざわりがあらい。薄く流し固めたものをひも
44. 江戸小咄集 1 159ページ
東洋文庫
雷の玉子をひろい、友達に見せれば「これは珍しい、夕立のするまで、そだて』みよふじゃあるまいか」と、ところてんをこまかに、はやし食わせてよふくかの玉子、目があかて
45. 絵本江戸風俗往来 96ページ
東洋文庫
洗うよう聞こえたり。 ところてんところてんやの荷ない箱は、格子にして箱の中をすかして見せたるは、涼しきを示せるなるべく、その箱を杉の青葉をもって粧う。またと
46. 絵本江戸風俗往来 276ページ
東洋文庫
この方は天保以後は減った。演歌的読売ももと心中事件などの速報から、これを歌に仕組んだのが始めであった。 ところてん曲突 荷箱は四方格子にして内頭をすかし、その格
47. お‐かがみ【御鏡】
日本国語大辞典
島根県江津市725 《おかがみさん》愛知県知多郡570 (2)盂蘭盆会に精霊棚に供える、ところてん。《おかがみ》岩手県上閉伊郡097 長崎県対馬911 オカ
48. おきうと画像
日本大百科全書
さらに乾燥したものがある。水でもどして、なまのものと同様食用にする。いずれも、味、口当りは、ところてんに近いが、もう少しこくがあるのと、口当りがざらっぽい。色も
49. 沖縄童謡集 121ページ
東洋文庫
産物である。その頃の軍歌は一般に難解な漢語があり、倶に天を戴かずの意義は皆知らず、「トグ リテン(ところてん)をいた穿かず。」とうたふ者も居た。(那覇)三四
50. 押出加工
世界大百科事典
か,ステンレス鋼や特殊鋼の管材などがある。 コンテナーに入っている材料を押し出す場合には,ところてんのように材料の後ろから出口のほうへ材料全体を押す前方押出し(
「ところてん」の情報だけではなく、「ところてん」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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タケ類の地下茎から出る幼茎。古くは〈たかんな〉といい,〈笋〉とも書く。ふつう先端が地表に現れるころ掘り出して食べる。モウソウチク,ハチクのものが多く,東北,北海道では主としてホテイチクやネマガリダケなどの細いたけのこを食べる。しかし,《本朝食鑑》
(世界大百科事典)
バラ科モモ亜属の落葉果樹。中国や日本で古くから栽培され多くの品種が分化している。またハナモモは花木としても重要なものである。中国の黄河上流,陝西・甘粛の両省にまたがる高原地帯(標高1200~2000m)の原産。中国から各地に伝わって変種を生じた
大根(日本国語大辞典・世界大百科事典)
解説・用例【一】〔名〕〔一〕(「おおね」に当てた漢字を音読したもの)(1)アブラナ科の一年草または二年草。中央アジア原産とみられ、重要な蔬菜として古くから広く栽培されている。高さ約一メートル。地下に多汁・多肉質で長大な白い根がある。葉は群がって生え
トチノキ(世界大百科事典・日本大百科全書・日本国語大辞典)
7枚の小葉からなる大型の掌状複葉と白い大きな円錐花序をつけるトチノキ科の落葉高木で,庭園樹,街路樹として植えられる。ときに高さ35m,直径4mにも達し,幹の樹皮は黒紫褐色で外層がはがれると波状の紋様が現れる。枝は太く張って広い樹冠をなし
ザクロ(世界大百科事典・日本国語大辞典)
観賞用,食用,薬用に栽培されるザクロ科の落葉樹。地中海東岸から北西インドに至る地方に分布し,西南アジア地域でもっとも古くから栽培された果樹の一つである。ヨーロッパにはギリシア時代,中国には3世紀終りごろ,日本へは平安期以前に渡来している
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