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浴衣

ジャパンナレッジで閲覧できる『浴衣』の日本大百科全書・世界大百科事典のサンプルページ

日本大百科全書(ニッポニカ)
浴衣
ゆかた

木綿の浴衣地でつくられた単衣(ひとえ)の長着。家庭での湯上がりのくつろぎ着のほか、夏祭り、縁日、盆踊り、夕涼みなど夏の衣服として着用される。街着にはならないが、夕方の散歩着としては着用する。浴衣は肌襦袢(はだじゅばん)を用いず素肌に着て、素足下駄ばきとし、草履(ぞうり)は履かない。女子は半幅帯を締め、普通の着物よりやや短めに着る。男子は兵児帯(へこおび)を締める。足袋(たび)は履かない。
浴衣地は主として平織白木綿に藍(あい)染めをする。地白に藍、または地藍に白で紋様を出して染める。白木綿は、栃木県真岡(もおか)で織られていた真岡木綿を用いていたが、明治以降、三河地方(愛知県)で織られた岡木綿に押され、近年では岡木綿が浴衣地に用いられている。
浴衣の柄は中形(ちゅうがた)を用い、浸染(しんせん)により藍染めをする。これを中形浴衣といい、普通に浴衣というときはこれをさす。江戸で発達したこの中形は江戸中形とよばれる。6尺(約180センチメートル)1枚の長板(ながいた)に布を張って型置きをし、裏からも表にあわせて型を置き、浸染によって染めるところから長板中形ともいう。手のこんだ染め方によるこの両面物の高級浴衣地の技術は、現在国の重要無形文化財になっている。明治の末ごろからは手拭(てぬぐい)に用いられていた注染(ちゅうせん)の技法を応用して、一反の布を染める手拭中形が浴衣に用いられるようになった。手拭中形は手拭の長さに折り畳み、型糊(かたのり)をつけて、上から染料を注ぎ染めるので、折り返したところから模様が逆に染まる。初めは下級品として扱われていたが近年は模様構成もよくなり、型染め浴衣はほとんどこの方法が用いられている。今日の柄(がら)は、型紙の長さ約1メートルで折り返したところから逆に染まり、その対称の繰り返しとなっている。そして昭和の初頭から機械捺染(なっせん)による片面物の浴衣地が出回るようになった。このほか有松絞り(三浦絞り)、柳絞り、蜘蛛(くも)の巣(す)絞り、博多(はかた)絞りなど、木綿の藍染め絞りの浴衣もある。夏祭り、盆踊り、舞踊の浴衣にはそろいのものが多く用いられ、半身白、半身藍染めによる片身替わり、衿(えり)肩を中心に大きく半円形を描いて染められた首抜き模様、肩山より裾(すそ)に向かってだんだん柄が大きく染められた付下(つけさ)げ風絵羽浴衣など、はでで粋(いき)なものが好まれる。また一方、濡燕(ぬれつばめ)、唐傘(からかさ)、笠(かさ)、柳ひょうたん、朝顔などの小紋風のものもある。
布地は綿平織のほか近年、綿縮(ちぢみ)、綿絽(ろ)、表面に高低のある紅梅織などが用いられ、さらに木綿にかわってポリノジック、ポリエステルなどの化繊、または混紡も用いられている。染め色にも濃淡を出した細川染め(二度染め)や、若い人向きにピンク系、グリーン系など、藍や白以外の地色の浴衣も用いられるようになった。
男子の浴衣の柄は石摺(いしず)り風のものが多く用いられていたが、近年は無地に近い柄から小紋柄風にはでな感じのものまで多様になってきている。子供物には木綿の浴衣地とともにリップルが多く用いられ、子供らしく多色染めになっている。先染め浴衣地には白縞(しま)、白格子などの縞柄のものがあり、これは主として旅館などでの寝巻に用いられ、また歌舞伎(かぶき)役者は、浴衣に屋号、家紋などを染め、ひいき筋への贈呈に用いることもある。また芝居、舞踊のうえでの特殊な場合に、縮緬(ちりめん)浴衣を用いることがある。
浴衣地の布幅は35~36センチメートルである。体格の向上に伴って男物にはキングサイズといって40センチメートルほどのものもつくられているが、女物は柄の関係でまだ少ない。一反の長さは10~11メートルであったが、最近は12メートルぐらいのものも多くなってきた。
[藤本やす]

歴史

浴衣は湯帷子(ゆかたびら)の語から転じたもので、古くは沐浴(もくよく)に麻衣を着用した。湯帷子は普通の帷子に対していう語であり、手拭に対して浴衣を身拭ともいい、年間通して用いられた。のちに浴後に汗取りとして用いるようになった。民間で浴衣を着用するようになったのは、室町時代の終わりから江戸初期にかけて、盆踊りが盛んに行われるようになってからである。江戸後期には浴後に用いるだけでなく、庶民のなかには単衣や帷子のかわりに着用する者もあった。浴後に着用するものは広袖(ひろそで)(袖口の下を縫い合わさない袖)とし、単衣にかえて着用するものは方形の袂袖(たもとそで)にしていた。江戸の婦女の浴衣の袖は、単衣の略用という意味で袂を丸くしていた。木綿のごく細い縞(しま)や絣(かすり)は、広袖にして袖口下に刺縫いをして用いていた。刺縫いの糸はおもに黒を用い、白や茶も用いられた。なお京坂では刺縫いはしない。女性用の雨合羽(かっぱ)がない時代には、武家の女性たちは浴衣をまとい、しごきをして雨よけにも用いた。江戸時代の浴衣は、江戸、京坂の男女とも白地に藍染めの小紋を、また地染(じぞまり)に小紋を染めたものが用いられた。当時型紙の大きさにより大形、中形、小形などの区別があった。中形は一送り鯨尺(くじらじゃく)3寸7分(約14センチメートル)ないし7寸5分(約29センチメートル)の型紙を用いて単純色相で染め上げた模様をいう。中形が盛んに用いられるようになって、中形は着尺地の染模様の代表となった。用いられた模様を、型紙によってあげてみると、紗綾(さや)形、松皮菱(まつかわびし)に松毬(しょうきゅう)、よろけ地に紫陽花(あじさい)、よろけ地に霞(かすみ)と千鳥、変わり格子に流水と桜、瓢箪(ひょうたん)に紋入り蝙蝠(こうもり)、柳に燕(つばめ)など文様は細緻(さいち)なものであった。ほかに大形の紋や白地に藍の縞、鳴海(なるみ)絞り、柳絞りなども用いられた。男子の浴衣の大柄のものには源氏車に立浪(たつなみ)、傘骨と海老(えび)、船の碇(いかり)など、大柄でないものはあらめの匹田(ひった)絞りの大きいものを用い、鳶(とび)の者はその組の記号を表した絞りを着用した。
[藤本やす]



改訂新版 世界大百科事典
浴衣
ゆかた

木綿のゆかた地で単(ひとえ)仕立てにした夏の家庭着。昔,貴人が入浴のときに着た湯帷子(ゆかたびら)から転じた。本来は麻であったが,江戸時代木綿地とふろ屋の普及によって,一般にも湯上りに用いられるようになった。雨合羽のかわりに使った記録もあるが,湯上りだけでなく,庶民の夏の家庭着として,また古いゆかたは寝巻やおしめとして用いられた。人前で着るものとして扱われなかったゆかたが,男女ともに外出にも着るようになったのは明治中期以後,上物ができたからである。現在でも女物の紅梅(こうばい),綿絽(めんろ),綿縮(めんちぢみ)などの中形(ちゆうがた)染や長板本染中形(ながいたほんぞめちゆうがた)の高級ゆかたは,八寸名古屋帯をお太鼓に締めて街着とする。家庭用は裾除(すそよけ)をつけて素肌に着,半幅帯を締めるが,街着とする高級ゆかたには半じゅばんを着る。ゆかたを着る人は年々少なくなってきたが,ゆかた地の甚兵衛(じんべえ)や簡単服などが市販されているのは,吸湿性のよい木綿の肌ざわりと藍と白に代表される日本的な色柄が好まれるからであろう。

ゆかたを中形とも呼ぶのは小紋(小柄)に対しての柄の大きさを意味するが,大,中,小の柄がある。生地は平織が主だがコーマ糸使いが上等で,絽目のある綿絽,強撚糸を使ったさらさらとした肌ざわりの縮,縦横に太い糸を枡目(ますめ)に織り込んだ紅梅などがある。長板本染中形は板張にした生地に型紙を使って両面の柄をあわせるようのりを置き藍染にした高級ゆかたで,その技術は無形文化財として指定されている。昭和初期ごろから盛んに行われた注染(ちゆうせん)中形は,手ぬぐいと同じように生地を折りつけながらのり置きし染料を注いで染めるので,手ぬぐい中形,折付け中形ともいう。簡便な染め方だが,多彩な染分けもできる。ほかに小柄な籠付(かごづけ),絞り,ろうけつなどもあるが,絞りは高価でも家庭用である。男物には白絣,織縞もあり,奇抜で大柄な祭りゆかた,踊り用の絵羽ゆかたなど種類は多い。先染で縞や格子に特徴のある阿波しじら,麻地の中形も街着として用いられる。子ども用には苛性ソーダで凹凸をつけたリップルもある。
[山下 悦子]

[索引語]
湯帷子 紅梅 中形 長板本染中形 注染(ちゆうせん)中形 手ぬぐい中形 折付け中形
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検索コンテンツ
1. 浴衣
日本大百科全書
木綿に押され、近年では岡木綿が浴衣地に用いられている。 浴衣の柄は中形(ちゅうがた)を用い、浸染(しんせん)により藍染めをする。これを中形浴衣といい、普通に浴衣
2. 浴衣
世界大百科事典
木綿のゆかた地で単(ひとえ)仕立てにした夏の家庭着。昔,貴人が入浴のときに着た湯帷子(ゆかたびら)から転じた。本来は麻であったが,江戸時代木綿地とふろ屋の普及に
3. ゆ‐かた【浴衣】
日本国語大辞典
さすがに打捨がたくて」*茂吉の方法〔1952〕〈臼井吉見〉「痛々しいほど痩せさらばえているのに、〈略〉浴衣(ユカタ)を双肌(もろはだ)ぬぎにして」単物。《ゆかた
4. ゆかた【浴衣】
数え方の辞典
▲枚、▲着 ⇒着物
5. 浴衣(ゆかた)
古事類苑
器用部 洋巻 第1巻 622ページ
6. 浴衣(ゆかた) 【12か月のきまりごと歳時記】
生活便利帳
夏の和装の代表。夏祭りや花火大会での浴衣は風情を感じさせるもの。鎌倉時代以前の貴族が湯浴みするときに着用した「湯帷子(ゆかたびら)」が語源とされる。江戸時代には
7. よく‐い【浴衣】
日本国語大辞典
。ゆかた。*雑俳・勝句寄〔1730〕「風呂揚り瓢々然と浴衣吹き」*東京新繁昌記〔1874~76〕〈服部誠一〉二・新劇場「阿娘浴し了って浴衣細帯跪いて粧鏡に対し」
8. 【浴衣】よくい
新選漢和辞典Web版
【一】よくい入浴するとき着る着物。 【二】ゆかた《国》木綿(もめん)のひとえの着物。
9. ゆかた【浴衣】[方言]
日本方言大辞典
単衣ひとえ。 会津※062新編会津風土記(松平容衆)1809 岩手県江刺郡096江刺郡誌(岩手県教育会江刺郡部会)1925 宮城県仙台市「ネルのゆかた」121仙
10. ゆかた【浴衣】[標準語索引]
日本方言大辞典
そめぬき / はらぎ / ひらぐち / もーか / ゆあがい / ゆあがり / ゆとり洗濯したゆかた:浴衣などが、以前に付けた糊で固くごわごわになるおこしのり
11. ゆかた【浴衣】
国史大辞典
⇒湯帷子(ゆかたびら)
12. ゆかた‐おび【浴衣帯】
日本国語大辞典
〔名〕ゆかたを着たときに女性が結ぶ幅の狭い帯。〓[オ]
13. ゆかた‐かべ【浴衣壁】
日本国語大辞典
〔名〕ゆかたを掛けまわして壁の代わりとすること。*雑俳・扇の的〔1716~36〕「のぞくやら・風の来止んだ浴衣壁」
14. ゆかた‐がけ【浴衣掛】
日本国語大辞典
椽のはづれなどにつくとして居」*思出の記〔1900~01〕〈徳富蘆花〉五・九「兼頭の厳君から乞ひ得た君が浴衣がけの写真で」*雁〔1911~13〕〈森鴎外〉八「パ
15. ゆかた‐ぎ【浴衣着】
日本国語大辞典
〔名〕ゆかたを着ていること。ゆかたがけ。*青春〔1905~06〕〈小栗風葉〉夏・一四「浴衣着のまま帽子丈冠って、女の帰るのを送って来たのである」*今年竹〔191
16. ゆかた‐ざらい[‥ざらひ]【浴衣浚】
日本国語大辞典
〔名〕邦楽・邦舞で、練習の成果を試すために、師匠が弟子を集めて行なう「お浚い会」の一種。浴衣などの軽装で行なうのでこの名がある。
17. ゆかた‐じ[‥ヂ]【浴衣地】
日本国語大辞典
01~04〕一「新染の浴衣地出来て時鳥」*土〔1910〕〈長塚節〉一三「廉物ではあるが中形の浴衣地(ユカタヂ)も拵へて貰った」*黴〔1911〕〈徳田秋声〉二八「
18. ゆかたじ【浴衣地】
数え方の辞典
▲枚、▲反 大人ひとり分の布地は「反」で数えます。
19. ゆかた‐すがた【浴衣姿】
日本国語大辞典
の小娘の、咽に咳詰め咳が出る」*二人女房〔1891~92〕〈尾崎紅葉〉上・五「姉妹二人行水後の浴衣姿(ユカタスガタ)で」ユカタス
20. ゆかた‐ぞめ【浴衣染】
日本国語大辞典
衛門親類教訓の事「必々端手成模様、浴衣(ユカタ)染大嶋類、一切御着用有まじく候」*俳諧・鶉衣〔1727~79〕前・中・二三・旅賦「春は乗かけの鈴なりて、浴衣染の
21. ゆかた‐どき【浴衣時】
日本国語大辞典
着るのにふさわしい時期。*東京風俗志〔1899~1902〕〈平出鏗二郎〉下・一一・朝顔と蓮「夏も深うなりて、浴衣時(ユカタドキ)となれば、入谷辺の朝顔園賑はふ」
22. 浴衣ブーム[ファッション]
イミダス 2018
若年層から火がついた浴衣ブームが成熟してきた。当初は奇抜な着こなしが目立ったが、2010年を越したころから正統派への志向が高まっている。男性用は花火大会などに向
23. ユカタヤマシログモ
日本大百科全書
節足動物門クモ形綱真正クモ目ヤマシログモ科に属するクモ。家屋内の縁の下、押入れ、長い間使用しない引出しの奥などにすむ。六眼の淡褐色の5~8ミリほどの腹部のずんぐ
24. あい‐ゆかた[あゐ‥]【藍浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕染め浴衣の中で、特に藍で染めたもの。《季・夏》*紅糸〔1951〕〈橋本多佳子〉「生き堪へて身に沁むばかり藍浴衣
25. あずかり‐ゆかた[あづかり‥]【預浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕風呂屋が保管する常客の浴衣。*浮世草子・好色一代女〔1686〕五・二「それそれに又供をつれざる若き者も、新しき下帯を見せかけ、預ゆかたを拵へ」
26. あやめ の 浴衣(ゆかた)
日本国語大辞典
「あやめゆかた(菖蒲浴衣)【一】」に同じ。
27. 菖蒲浴衣
日本大百科全書
が好んだ「あやめ浴衣」の宣伝と、長唄の唄方芳村(よしむら)伊十郎の改名披露、さらに伊十郎と作曲者勝三郎の不和の仲直りと、いろいろな目的でつくられたといわれる。詞
28. あやめ‐ゆかた【菖蒲浴衣】
日本国語大辞典
た。あやめゆかたびら。しょうぶゆかた。*長唄・菖蒲ゆかた〔1859〕「今日の晴着に風薫る、菖蒲浴衣(アヤメユカタ)の白がさね」【二】長唄。二世杵屋勝三郎作曲。作
29. うかれ‐ゆかた【浮浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕浮かれ人(2)の着る浴衣。はでな浴衣。*浄瑠璃・津国女夫池〔1721〕千畳敷「うかれゆかたのきくの露、まがきまがきににほひこぼれて乱れ咲」
30. おどり‐ゆかた[をどり‥]【踊浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕踊り、特に盆踊りのときに着る浴衣。《季・秋》*浮世草子・日本永代蔵〔1688〕六・五「盆は踊(ヲトリ)ゆかたも拵(こしら)へ」*浄瑠璃・丹波与作待夜の小室
31. かし‐ゆかた【貸浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕旅館、料亭などで客に貸す浴衣。《季・夏》*雑俳・住吉おどり〔1696〕「よごれたる・身にきよ滝のかしゆかた」*雪中梅〔1886〕〈末広鉄腸〉下・二「浴楼(
32. きゃく‐ゆかた【客浴衣】
日本国語大辞典
*二人女房〔1891~92〕〈尾崎紅葉〉上・三「山口は葛布(くずふ)の洋服をば、糊にぴんと張った客浴衣(キャクユカタ)に衣更(きか)へて」
33. くびぬき‐ゆかた【首抜浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕くび抜きの派手なゆかた。白地にねずみ色、浅黄色、紺色などで紋や図案を染め抜いたもの。〓[ユ
34. しょうぶ‐ゆかた[シャウブ‥]【菖蒲浴衣】
日本国語大辞典
人などに与えた。菖蒲かたびら。あやめゆかた。*俳諧・誹諧通俗志〔1716〕時令・五月「しゃうぶ浴衣(ユカタ)」ショーブユカタ
35. そでなし‐ゆかた【袖無浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕両袖のないゆかた。*うもれ木〔1892〕〈樋口一葉〉三「三歳(みつ)ばかりの男の子のちょろちょろ馳せ出しが、袖(ソデ)なし裕衣(ユカタ)の模様は何」
36. そめ‐ゆかた【染浴衣】
日本国語大辞典
駅〔1827〕四幕「どうでも白地の染め浴衣、身も軽軽と江尻前、小吉田さして急ぎ行く」*長唄・菖蒲ゆかた〔1859〕「遠山夕暮茂り枝を脱いで着替への染浴衣
37. そろえ‐ゆかた[そろへ‥]【揃浴衣】
日本国語大辞典
*浮世草子・好色一代男〔1682〕七・二「瞿麦(なでしこ)の揃浴衣(ソロヘユカタ)、みなさばき髪に成て」*浮世草子・鬼一法眼虎の巻〔1733〕一・一「揃へ浴衣
38. たうえ‐ゆかた[たうゑ‥]【田植浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕田植の頃新調する浴衣。*洒落本・田舎芝居〔1787〕五立目「正月御(ご)だァの、田うへ浴衣(ユカタ)だアのといふ物は、夢に見た事もない」
39. てぬぐい‐ゆかた[てぬぐひ‥]【手拭浴衣】
日本国語大辞典
。*男五人〔1908〕〈真山青果〉三「手拭浴衣(テヌグヒユカタ)を着た、肥っちょの大男だ」*腕くらべ〔1916~17〕〈永井荷風〉五「駒代は手拭浴衣の寝衣に細帯
40. なるみ‐ゆかた【鳴海浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕江戸時代、鳴海絞りで作った浴衣。*鳥追阿松海上新話〔1878〕〈久保田彦作〉「鳴海浴衣(ナルミユカタ)の上着さへ馴ぬ姿も田舎婦が物詣する形にこしらへ」
41. はつ‐ゆかた【初浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕その年初めて着る浴衣。《季・夏》〓[ユ]
42. 沐浴衣(もくよくい)
古事類苑
服飾部 洋巻 第1巻 122ページ
43. ゆあがり‐ゆかた【湯上浴衣】
日本国語大辞典
〔名〕入浴後に着るひとえの着物。また、夏に着るゆかた。ゆあがり。
44. 貸浴衣汗雷(著作ID:796565)
新日本古典籍データベース
かしゆかたあせになるかみ 浄瑠璃/清元 慶応元初演
45. 着替浴衣団七縞(著作ID:146838)
新日本古典籍データベース
きがえゆかただんしちじま 着替浴衣団七島 宝田寿助(たからだじゅすけ) 作 歌川国丸(うたがわくにまる) 画 合巻 文政七刊
46. 凉浴衣新地誂織(著作ID:338896)
新日本古典籍データベース
すずみゆかたしんちのおりだし 桃花園三千麿(とうかえんみちまろ) 作 為永春水一世(ためながしゅんすい1せい) 校 春川英笑(はるかわえいしょう) 画 人情本
47. 染浴衣菊新形(著作ID:354030)
新日本古典籍データベース
そめゆかたきくのしんがた 式亭小三馬(しきていこさんば) 作 歌川豊国三世(うたがわとよくに3せい) 画 合巻 天保九刊
48. 団七縞於夏浴衣(著作ID:1039470)
新日本古典籍データベース
だんしちじまおなつゆかた 女団七 東西庵南北(とうざいあんなんぼく) 作 勝川春好二世(かつかわしゅんこう2せい) 画 合巻 文化一一刊
49. 夏浴衣国字小紋(著作ID:4366361)
新日本古典籍データベース
なつゆかたいろはこもん 絵本番附
50. 夏浴衣清十郎染(著作ID:1043692)
新日本古典籍データベース
なつゆかたせいじゅうろうぞめ 菅専助(すがせんすけ) 豊春助(ゆたかしゅんすけ) 浄瑠璃/義太夫 安永七初演
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浴衣(日本大百科全書・世界大百科事典)
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