1. 『河海抄』
日本史年表
1367年〈【北朝】貞治6・【南朝】正平22 丁未〉 貞治年間 義詮の命により,四辻善成, 『河海抄』 を撰進(珊瑚秘抄)。 ...
2. 河海抄
日本大百科全書
。著者の四辻善成は南北朝時代の和学者であり、順徳天皇の皇子善統(よしむね)親王の孫。後年、『河海抄』に載せなかった秘説を『珊瑚秘抄(さんごひしょう)』で著してい ...
3. 河海抄
世界大百科事典
南北朝時代の《源氏物語》注釈。20巻。著者は四辻(よつつじ)(源)善成。将軍足利義詮(よしあきら)の命により,貞治年間(1362-68)に成る。平安末期以来の《 ...
4. かかいしょう[カカイセウ]【河海抄】
日本国語大辞典
「源氏物語」の注釈書。二〇巻。四辻善成著。貞治元年(一三六二)頃の成立とされる。将軍足利義詮の命により撰したもの。祖師善行、先師丹波忠守の説を基礎に旧説を集め、 ...
5. かかいしょう【河海抄】
国史大辞典
物語』)等々の多いのも参考になる。刊本には、室松岩雄編『河海抄・花鳥余情・紫女七論』(『国文註釈全書』三)、玉上琢弥編『紫明抄・河海抄』などがある。 [参考文献 ...
6. 葵(源氏物語) 55ページ
日本古典文学全集
次の詩句が引かれるゆえんでもある。「庾令ノ楼中ニ初メテ見シ時 武昌ノ春柳ハ腰肢ニ似タリ 相逢フモ相笑フモ尽ク(河海抄には「相失フモ両ツナガラ」)夢ノ如シ 雨ト為 ...
7. 葵(源氏物語) 72ページ
日本古典文学全集
こんなにさまざま大げさにせず。「亥子餅は色色也。三日夜餅は白一色なれば、数数にはあらでと云也」(河海抄)。暗に、白一色の三日夜餅を準備すべく依頼する。「今日はい ...
8. あおずり の 紙(かみ)
日本国語大辞典
よく取りあへてまぎらはし書いたる濃墨、薄墨、草がちにうちまぜ乱れたるも人の程につけてはをかしと御覧ず」*河海抄〔1362頃〕九「青摺の紙とは青き蝋紙歟 唐紙の文 ...
9. あお‐びょうし[あをベウシ]【青表紙】
日本国語大辞典
その系統に属する諸本。青表紙本。*延慶両卿訴陳状〔1310〕「定家卿自筆古今集一部〈略〉青表紙源氏物語一部」*河海抄〔1362頃〕一「京極中納言定家本〈号青表紙 ...
10. あかいろ の 袍(ほう)
日本国語大辞典
摂録之尊
歟」*
河海抄〔1362頃〕一一「晴儀諸臣青衣の袍を着たる時は主上赤色御袍を着せしめ給也」*胡曹抄〔1480
...11. 明石(源氏物語) 255ページ
日本古典文学全集
ある毛色。「駒」は「馬」の歌語。参考「久方の月毛の駒をうち早め来ぬらんとのみ君を待つかな」(河海抄)。「雲居」は、「空」と「遠い都」の意をかける。「いた(甚)し ...
12. 総角(源氏物語) 255ページ
日本古典文学全集
(古今・雑躰 読人しらず)。「尋ねくる身をしとはずはよさの海に身もなげつべき心ちこそすれ」(河海抄)。大君に寄せる気持は、八の宮のせつない親心をくんだものゆえ、 ...
13. 総角(源氏物語) 314ページ
日本古典文学全集
もいまもむかしもゆくすゑもかく袖くたすたぐひあらじな」(出典未詳)を引く。ただし『紫明抄』『河海抄』などでは第四句「かく袖ひつる」。『花鳥余情』以下「神無月いつ ...
14. 朝顔(源氏物語) 474ページ
日本古典文学全集
須磨に退去のごたごたまでも起って以来。「いかで片はしをだに(語りきこえむ)」。「ねびすぐしたる也」(河海抄)。内大臣という官位に年齢がつりあわない。この時、源氏 ...
15. 朝顔(源氏物語) 485ページ
日本古典文学全集
云、すさましき物、しはすの月よ、おうなのけしやう」とあるが、現存の『枕草子』にはない。また『河海抄』は『十列』の「冷物十二月月夜…老女仮借…」を引く。なお後にも ...
16. 朝顔(源氏物語) 491ページ
日本古典文学全集
ている。寝殿の南の庭に近い。雪玉に手こずっているのを見て、もどかしがり笑うのである。藤壺。『河海抄』は、『枕草子』(職の御曹司におはしますころ)の雪山の行事(長 ...
17. あさ‐はか【浅─】
日本国語大辞典
作る接尾語〔大言海〕。(2)ハカは助詞。また、ハカ(量)リの義か〔和訓栞〕。(3)浅マシク、ハカナキ意〔河海抄・両京俚言考〕。(4)アサは浅で朝に通じる。ハカの ...
18. 東屋(源氏物語) 25ページ
日本古典文学全集
…」(前ページ二行)の趣旨の反復であるが、より徹底した実利主義的な論理。「何の主といふは、聊かしづく詞也」(河海抄)。貫禄があり老成した人なので、の意。美貌かど ...
19. 東屋(源氏物語) 56ページ
日本古典文学全集
だに人の心にまかせずもがな」(伊勢・二十一段)、「数ならぬ身には思ひのなかれかし人なみなみに濡るる袖かな」(河海抄)。身分の高低にかかわらず。なお「高きも短きも ...
20. 東屋(源氏物語) 94ページ
日本古典文学全集
前の席の薫・浮舟と、後ろの席の弁・侍従の間を仕切って掛け垂す。「車中に引物をして貴賤同車する事也」(河海抄)。前に「夜は明けはてぬ」。朝日に照らし出された尼姿が ...
21. あて‐じ【当字・宛字】
日本国語大辞典
暮(やぼ)」の類。*名語記〔1275〕九「むつかし、如何。六借とかきあひたるは、あて字歟」*河海抄〔1362頃〕六「吾嬬とかきてあづまとよむ也。東は宛字也」*評 ...
22. 天児
世界大百科事典
《源氏物語》の〈薄雲〉〈若菜上〉にもこれが見え,明石の姫君が皇子を生み,紫の上が天児を手ずから作ったとある。《河海抄》には,〈はふこのやうなものなり〉とある。大 ...
23. あま‐そぎ【尼削】
日本国語大辞典
し、あまそぎのほどにて、ゆらゆらとめでたく」余りをそぐことから〔河海抄〕。アマソ ...
24. あゆ の 皮引(かわひ)き
日本国語大辞典
鮎の皮をはいだもの。*河海抄〔1362頃〕一一「夏の泉の会には鮎のかはひき、雪の朝には鴫壺熬を必賞翫すべき者也云々庖丁譜に見ゆ」 ...
25. あわつけ・し[あはつけし]【淡】
日本国語大辞典
(1)アハツカを形容詞にした語〔大言海〕。→あわつか。(2)ツケシは、上にひかれた詞〔河海抄〕。 ...
26. あわび‐むすび[あはび‥]【鮑結】
日本国語大辞典
左右に二つのわなを並べた紐の結び方。あうび結び。淡路結び。葵(あおい)結び。蜷(にな)結び。淡路。*河海抄〔1362頃〕八「あしゆひのくみは色々の糸にてまはりに ...
27. いい‐うまや[いひ‥]【飯駅】
日本国語大辞典
大臣の屋敷に立ち寄って饗応(きょうおう)を受けること。また、その場所。芻駅(くさうまや)。*河海抄〔1362頃〕一〇「今案云踏歌宴に飯駅水駅と云事有」*花鳥余情 ...
28. いしやまでら【石山寺】滋賀県:大津市/南部地域/寺辺村
日本歴史地名大系
えないまま夜を明かしたという。紫式部が「源氏物語」の須磨・明石の巻を当寺で綴ったという伝承(河海抄)は、朝廷や貴族に浸透した石山観音信仰のなかから生じたものとい ...
29. いたち の 目陰(まかげ)
日本国語大辞典
目の上にさしかざして遠方を見ること。鼬が人を見る時にそうするという俗信から)疑わしげに人を見る様子。*河海抄〔1362頃〕一九「いたちのまかげと云ふ事歟。たとへ ...
30. いち‐はや・し【逸早・逸速】
日本国語大辞典
連用形「いちはやく」が副詞化して〔二〕の意味で用いられている。(1)イチは最の意〔河海抄〕。(2)イツハヤシ(稜威速)の転〔言元梯〕。 ...
31. 逸文参考(風土記) 569ページ
日本古典文学全集
鳥部
。(四辻善成『
河海抄』巻二、夕顔「とりへのゝかた…」条〈石田穣二校訂・角川版〉) 底本「鎮」、意改。
...32. 逸文参考(風土記) 584ページ
日本古典文学全集
(仙覚『万葉集註釈』第四、四・五〇九番歌条〈仁和寺本〉)〈伊予の国〉 湯桁の数(不載) (四辻善成『
河海抄』)天山 香山 按
風土記
...33. 逸文参考(風土記) 589ページ
日本古典文学全集
)(『塵袋』第十「条」条〈日本古典全集〉)紫草 さきくさに説々ある歟。……風土記には紫草とも書之。(四辻善成『河海抄』巻十、初音「さきくさのすゑつかた」条)ヱグ ...
34. いも・う[いもふ]【斎】
日本国語大辞典
伊毛比斎清
」*
河海抄〔1362頃〕一七「万葉人丸、神垣にひほろぎ立てていもへども人の心は守りあへぬものを」
...35. いわ‐ふじ[いはふぢ]【岩藤】
日本国語大辞典
【一】〔名〕(1)植物「にわふじ(庭藤)」の別名。《季・夏》*河海抄〔1362頃〕九「くたに 岩藤也。苦胆といふ草ありと云々同物歟」*俳諧・玉海集〔1656〕二 ...
36. 浮舟(源氏物語) 194ページ
日本古典文学全集
業平)。「見たまひつれば」とする本も多い。「夢ヲ解ク書ニ曰ハク、夢ニ病人ヲ見バ、必ズ死ス」(河海抄)。そちら(宇治の家)に。薫の正室である女二の宮の怨念が物の怪 ...
37. うけ‐ば・る【受張】
日本国語大辞典
うけばりて、物怨じなどしたるこそにくけれ」(1)受ケ張ル。承諾の意〔河海抄〕。(2)ウケフの延。誓う意〔俚言集覧〕。 ...
38. うけわ
し[うけはし]【祈】
日本国語大辞典
〔形シク〕(動詞「うけう(誓)」の形容詞化)他をのろいたい気持である。のろわしい。*河海抄〔1362頃〕四「うけはしけにのたまふ 呪咀 ウケハシ也」 ...
39. 雨月物語 399ページ
日本古典文学全集
ありけるとなり。 さびしき宿にも、必ず分けたる跡あなる三つの径とたどる」(源氏・蓬生)。『河海抄』に「三径は門にゆくみち、井へゆくみち、厠へゆくみち也」。寺の ...
40. 宇治拾遺物語 392ページ
日本古典文学全集
在位八七六~八八四年。退位後、没年までは六十五年間の長きに及ぶ。→二七二ページ注一。二条院。その位置を『河海抄』は、「二条以北、大炊御門以南、油小路以東、西洞院 ...
41. 薄雲(源氏物語) 429ページ
日本古典文学全集
源氏とのつながりを失うことであり、女性としての悩みも深いのだ。明石の尼君(明石の君の母)。姫君を二条院へ。『河海抄』は、西宮左大臣源高明が第一皇子であったにもか ...
42. 薄雲(源氏物語) 454ページ
日本古典文学全集
「聖帝」の和訳語。「唐土」は、中国またはそれ以外の中国大陸諸国をいう。国号の「唐」と限定されない。『河海抄』には、中国古代の歴史的事実をあげる。→付録五三〇ペー ...
43. うす‐だみ【薄彩】
日本国語大辞典
そうして描かれた絵。
極彩(ごくだみ)。*
河海抄〔1362頃〕一三「うすたんはうすたみなり」*易林本節用集〔1597〕「薄濃 ウスダミ」*日葡
...44. うそ を 吹(ふ)く
日本国語大辞典
*古今著聞集〔1254〕二〇・六九〇「左右ともにうそを吹く」(5)照れ隠しにそらとぼける。*河海抄〔1362頃〕八「恥をいとふ時は必ずうそを吹く」 ...
45. うち‐まつ【打松】
日本国語大辞典
火」篝に松を打入れ打入れ焚くから〔河海抄・和訓栞・大言海〕。言海 ...
46. うつせ‐がい[‥がひ]【空貝・虚貝】
日本国語大辞典
〔大言海〕。(3)ウツセガヒ(虚石華貝)の義か〔和訓栞後編〕。(4)ウツセはむなしい瀬の意〔河海抄〕。日葡・書言・言海【空背貝】書言【虚貝】言海 ...
47. 梅枝(源氏物語) 410ページ
日本古典文学全集
これについての詳しい論がある。内大臣・柏木の父子は、和琴の上手。春の季節にあった調子。「双調歟」(河海抄)。弁少将は美声で名高い。→初音一六〇ページ・篝火二五八 ...
48. 梅枝(源氏物語) 413ページ
日本古典文学全集
「内侍」は、中宮づきの内侍。「着裳の時、髪をあげらるゝ歟。かんざしする也。内侍其役をつとめたる也」(河海抄)。南の殿などに寄らずに、直接式場である西の殿に参上す ...
49. うん‐ぞう[‥ザウ]【温糟・紅糟】
日本国語大辞典
〔名〕「うんぞうがゆ(温糟粥)」に同じ。*河海抄〔1362頃〕一八「ふすくまいらせ給へり 粉熟 余谷薨記云 献赤粉餠云々私云今のうんざうの様なる物なり」*庭訓往 ...
50. 絵合(源氏物語) 384ページ
日本古典文学全集
屏風や障子の絵に対する。無理に部屋を用意して秘密裡に製作。源氏とは対照的。「深窓、秘蔵心也」(河海抄)。朱雀院。次文以下、斎宮の女御への絵の贈与の経緯とともに、 ...