IT業界では「時代はモバイルから人工知能(AI)に変わった」との評価を聞くことが少なくない。そしてAI時代の主役に躍り出ようとしているのが「スマートスピーカー」(AIスピーカー)だという。

 人工知能を搭載したスピーカーが米国で急速に普及している。アマゾンやグーグル、アップル、マイクロソフトなど米IT企業が開発・販売を競っている。日本でも2017年5月、グーグルが「グーグルホーム」を年内に日本で発売すると発表した。2016年に先行販売した米国では価格が129ドル(約1万4000円)とお手頃だ。LINEも、AIを活用した会話型端末「WAVE」を今夏に日本と韓国で発売する。スマートスピーカーは、日本でも一気に普及する可能性がある。

 スマートスピーカーをリビングに置いて話しかけると、お気に入りの音楽がかかったり、その日の天気予報などを教えてくれる。エアコンやテレビのスイッチも声をかければ入る。キーボードを叩かずともネット検索してくれる。

 サービスのネットワークが進めば、ネット通販や出前の注文、タクシーの手配などにサービスは拡大するだろう。将来的には、子守や家庭教師、独居老人の相談相手もやってくれそう。リビングの主役はテレビからスマートスピーカーに変わるのは間違いない。

 スマートスピーカーが関わる市場は巨大なものになりそうだが、気になるのは、先行したのがアマゾン、グーグルなど米国企業であることだ。世界を変える独創的なビジネス、商品開発は、もはや日本から生まれないのか。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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