この春、流行しているファッショントレンドで「袖コンシャス」を略したもの。「合コン」やら「街コン」やら「鉄コン(鉄道合コンの略)」やらの「コンパ」を略したものではない。

 「コンシャス」とは日本語に直訳すれば「意識的な」という意味。したがって、袖コンは「袖を意識した=袖にデザイン性のあるトップス」のことを指す。

 袖口がキュッと締まっているのに腕部分はたっぷりしていたり、袖部分のみに違う素材を使ってみたり……と、いろんな「袖を意識する」パターンがあるようだが、もっとも定番なのは、袖口が大きく広がっている「ベルスリーブ」タイプ。女性らしいやわらかいシルエットが人気の秘密であるらしい。

 ただし、このベルスリーブ、たとえば食事のときなどに取り分けの際、袖口に汚れが付きやすいのが最大の弱点……なんだとか。したがって、デートの日にせっかくの勝負服(ベルスリーブ)でキメてきてくださった女性と対面する場合、男性側としては「極力、取り分けを女性にはさせない」「ケチャップやトマト系の料理を注文するのはなるべく避ける」「可能ならば予約したデートスポットを寿司屋とか比較的袖口デンジャラス度の低い店に変更する」……あたりの“さり気ない配慮”が必要だ。

 間違っても「その袖、食事中は巻くっておいたほうがよくない?」なんて無粋なセリフを吐いてはいけない。貴男のために入れてくれた女性側の“気合い”に対しては、惜しみないリスペクトを捧げるのが“モテ男”としての「当然のマナー」なのではなかろうか?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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