一つの賃貸住宅のキッチン・リビング・バスルームなどを複数の人と共有し、コストダウンを図る「シェアハウス」が、徐々に日本でも一般化されつつあるが、そのなかでも同じライフスタイルや志を持つ入居者を集めた「コンセプト型のシェアハウス」が人気を呼んでいるらしい。

 「昼夜逆転のシェアハウス」「漫画家(志望)ばかりのシェアハウス」「ミュージシャンばかりのシェアハウス」「ダイエットサポートのシェアハウス」「東大に合格するためのシェアハウス」……ほか諸々、近年その“コンセプト”は激しく細分化されつつある。大きなメリットとしては「情報交換がスムーズにできる」「自分と同じ境遇で頑張っている人が身近にいることによるモチベーションの向上・モラトリアム的な安心感」などが挙げられるが、もはや「なんでもあり」状態の“コンセプト”のオンパレード上には、思わず首をかしげてしまう怪しげなものも少なくない。

 たとえば「起業家を目指すシェアハウスって」……一歩間違えたら現状に満足していない者同士の「励まし合い」ではなく「傷の舐め合い」になってしまうのでは? 「過度な距離感を楽しめるシェアハウス」……って、結局は住人任せかいっ! 「結婚したい男女が集まるシェアハウス」……って、裏でダークな駆け引きが横行しそうで人間関係がギスギスしそう……。

 あまりに漠然とした“コンセプト”ではなく、「シングルマザーのシェアハウス」みたいに、なるべく具体的なイメージを抱きやすいモノを選ぶのがポイントであるようだ。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
ジャパンナレッジとは 辞書・事典を中心にした知識源から知りたいことにいち早く到達するためのデータベースです。 収録辞書・事典80以上 総項目数480万以上 総文字数16億

ジャパンナレッジは約1900冊以上(総額850万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。
日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。 (2024年5月時点)

ジャパンナレッジ Personal についてもっと詳しく見る