1月6日、東京消防庁の出初式にて「エアハイパーレスキュー」の発隊式が行なわれた。正式名称を「航空消防救助機動部隊」といい、その機動力はまるでアクション映画さながらだ。

 高層ビルの火災であっても消火装置を備えたヘリコプターで対応し、迅速な消火活動が行なえる。15人ほどの被災者を一気に救助できる大型ゴンドラを吊り下げることも可能である。テレビのニュースで、赤いヘリの勇姿に魅了された方も多いだろう。都内の東西、江東区と立川市に拠点を置き、計8機のヘリ、45人の精鋭メンバーの体制でスタートした。

 先の東日本大震災によって、陸上からのレスキューの限界が理解された。これまでの航空隊では対応しきれないシチュエーション、たとえば、首都圏で発生が予測されている直下地震や、2020年五輪開催中の不測の事態などにおいて、安心感を担保できることになる。また、東京のみならず、深刻な災害があった場合には国内外へ出動することも想定されている。

 外国人観光客の獲得が重要な時代、「安全なる東京」をアピールすることは利益になる側面もあろう。世界有数のメガシティは、空でも万全の備えを整えようとしている。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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