読んで字のごとく「店内でモノをつくることができるカフェ」のこと。デジタル系の工作から手芸、アクセサリーまで、“つくれるモノ”はさまざまであるらしい。

 「工房」みたいなスペースとカフェとが併設させる具体的なメリットは今ひとつよくわからないが(疲れたらドリンク飲んで一休み?)、「カフェ」という単語からただよう気軽さとお洒落さが集客の面で一役買っているのは間違いなさそうだ。

 「ナンバー1よりオンリー1のモノを手づくりによってリーズナブルに入手できるスポット」というコンセプトは、今のエコロジーやミニマリスト的な風潮にもしっくりとくるんだろうが、たとえば「ここで汗を流して懸命につくったモノを彼女や奥さんの誕生日にプレゼントする」といった選択はやめておいたほうが無難だと忠告しておきたい。

 「お金よりも丹精を込めてつくったモノのほうが愛着も倍増するに違いない」なんて考えは、本人だけにしか通用しない“勝手な思い込み”であって、女子としてはやはり「素人がつくった念だけがたっぷり注入されたグダグダなモノ」より「汗を流して稼いだ金で買った既製品」のほうが素直に喜べるのではなかろうか? オンリー1なプリミティブ・グッズは自分だけの大切なモノにとどめておくか、記念日とかじゃない日に「コレつくってみたんだけど、いる?」くらいのカジュアルな感覚でプレゼントする謙虚さは持っていてもらいたい。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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