ファッション用語で、「コート」と「カーディガン」をミックスした造語。読んで字のごとく「カーディガンのような感覚で軽く羽織るコートっぽいアウター」のこと。今年日本では大流行の兆しであるらしい。

 ネーミングの発想としては「アベノミクス」や「エグザムライ(=エグ侍)」(編集部注:EXILEをモデルにしたアニメ作品)と、デザインの発想としてはかつて大平内閣が提唱した「省エネルック(=半袖のスーツ)」と同じレベルで、お洒落さに欠けた間抜けな無理矢理感が、思わず筆者をいらっとさせる。

 さらには「そもそもコレって、単なる毛糸素材でできたハーフコートなんじゃないの?」とも突っ込まざるを得ない。

 とりあえず、この秋くらいからはコーディガン女子が街に溢れかえって、満員電車で「バッグの留め具に裾が引っ掛かっちゃった」みたいなトラブルが続出するのではなかろうか?

 ちなみに筆者は、10年ほど前に半同棲していた女性に、「一着で二度美味しい的な洋服は貧乏臭くてキライ!」といった理由でワードローブにあったリバーシブルのコートだとかハーフパンツだとか全部をゴミ箱に捨てられた過去を持つ。コーディガンの根源にある「帯に短しタスキに長し」感とは微妙にニュアンスが違わなくもないが、その彼女が今、このコーディガンについて、どのようなリアクションを示すのか、ちょっとだけ見てみたい……。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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