7月、ショウワノート(富山県高岡市)がAmazonを通して行なった「歴代ジャポニカ学習帳人気投票」の結果が話題となった。上位の多くをカブトムシなどの昆虫が占めたからだ。ジャポニカ学習帳といえば、「虫は気持ちが悪い」という保護者や教師の意見を受け入れ、現行の表紙は植物ばかり。この対応に違和感がある大人からすれば、胸のすく思いがしたようだ。かように学習帳というものは、各世代にわたって愛され続けている存在だ。

 大きく写真の入る特徴的なデザインは、オトナという元コドモたちの心に、深く刻み込まれている。ゆえに最近では、企業や地方自治体などが、ノベルティーグッズ(PR用に製作されたもの)として白羽の矢を立てる。ソフトバンクが店頭プレセント用に用意した『お父さん学習帳』(CMキャラクター・白戸家の白いイヌが表紙)、富山県が修学旅行の誘致のために作った『とやまニカ学習帳』(名所や特産物が表紙)は、その代表的なもの。

 また、ショウワノートのアニメグッズ系ブランド「POMMOP」では、「本家」の強みを生かして、『進撃の巨人』とコラボした『進撃の学習帳』などをヒットさせている。いわばセルフパロディ。もちろん、学習帳はジャポニカだけではないので、別メーカーから出ているコラボ商品まで紹介すると枚挙にいとまがない。大阪市に本社を置く「ラナ」は個性的な学習帳を多く企画しているメーカーで、『スター・ウォーズ学習帳』や、『江頭2:50自由帳』(お笑いタレントの江頭2:50が表紙)などは、その「ふざけ具合」がファンからも好評のようだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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