これも人口減少社会の一断面といえようか。文部科学省は、59年ぶりに公立小中学校の統廃合に関する基準を見直した。

小学校は全校で6学級以下、中学校は同3学級以下の場合、統合を促すという。要は、小学校も中学校も学年1クラス以下だと統合せよ、ということだ。従来の基準は、小中学校とも1校あたり「12学級以上18学級以下」だった。

 通学区域についても、これまで徒歩・自転車による通学を念頭に小学校4キロ以内、中学校6キロ以内としてきたが、スクールバスの利用も考え、新たに「おおむね1時間以内」とする基準も加えた。

 児童・生徒数の推移から言えば、統廃合に迫られているのは明らかだ。例えば基準がつくられた1956年の全国の公立小学校の児童数は、1253万人。それが2014年には648万人まで減少した。三十数年前に筆者が卒業した公立中学は、1学年350人8クラスだったが、現在は同100人、3クラスといった具合だ。

 文科省によると、児童や生徒が少ないと、クラス替えができず、クラス同士が切磋琢磨することもできない。クラブ活動や部活動の種類も限定されるといったデメリットがあるという。

 しかし、通学距離が長くなると、子どもたちの負担感が増すのは間違いない。地方では小学校の「校区」が地域コミュニティの単位として機能しているところもある。そうした点への配慮が必要だ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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