食べるラー油や塩こうじ、塩レモンなど、「新顔調味料」が次々と登場する昨今だが、次なるブームは四川料理発となりそう。その名も「怪味ソース」と呼ばれるものだ。「怪味(グァイウェイ)」とは、「怪しい」ということではなく、中国語で「複雑な味」という意味。その名の通り、塩味・酸味・甘味・辛味などが複雑に混じり合っている味が特徴である。

 すでに朝の情報番組のほとんどで取り上げられているが、これと決まったレシピはないらしく、各局とも微妙に異なるかたちで紹介された。基本的には、醤油と胡麻、あるいは「芝麻醤(チーマージャン)」という担々麺などでおなじみのタレをベースに、ニンニクやさまざまな調味料を加えて作る。「花椒(ホワジャオ)」と呼ばれるしびれのある香辛料を用いるのもポイントだ。用途はいろいろだが、最初はから揚げにかける調味料として日本に浸透していった。鶏との相性は、まさに抜群なのだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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