2014年はセントレア(中部国際空港)で開催された「ゆるキャラグランプリ」。その頂点に輝いたのが群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」だ。愛らしいポニーの姿は、1994年に開催された全国知的障害者スポーツ大会「ゆうあいピック群馬大会」に向けて、県職員の女性がデザインしたもの。設定は7歳だが、キャラクターとしては20年のキャリアをもつベテランだ。「ゆうあい」と「ぐんま」から「ゆうまちゃん」と命名されていたが、2008年に「ぐんまちゃん」の名前を「襲名」した。

 襲名というのは、「ぐんまちゃん」には「初代」がいるからだ。1983年の「あかぎ国体」で登場したもので、 『11ぴきのねこ』で知られる絵本作家の故・馬場のぼる氏が手がけた。ビッグネームだが、四本足で立つ馬というデザインであったため、着ぐるみ全盛のいまの時代には苦しいか。造形しやすい後輩に名跡を譲ったというところ。

 今回のグランプリ獲得以前から、ゆるキャラとしての県外での知名度は高い方であったといえる。「ゆうまちゃん」時代の2005年には、毎日新聞社の「全国対抗キャラクターコンテスト」でトップに立ったこともあるのだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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