中古市場で意外なほどに安い商品を見つけたとする。まがい物でないのなら、細かい傷がある場合が多いだろう。素人目には見つけられないレベルのこともあり、日本以外の国でははたしてここまでセンシティブなのだろうか?と疑問がわく。一方で、かなりのダメージを受けた状態でも使い続けられるアイテムもある。いまや普段暮らしに欠かすことができない、スマートフォンである。

 「トレンド総研」が9月に発表した「スマートフォン端末の使用実態」に関する調査。「本体に大きな傷がついている(もしくは、割れている)」と回答したのはじつに全体の8%で、「ディスプレイが割れている」も2%。合わせて1割が状態の悪いままスマホを使っていることになる。傷モノアイテムを好まないところがある現代人にしては、いささか意外な結果と言えそうだ。筆者もミーティングの場で、身ぎれいな相手方のスマホに派手なヒビが入っていて、思わずギョッとしてしまったことがある。

 こうした「割れスマ族」が一定数存在する理由としては、標準的となっている「二年縛り」の契約が大きい。スマホの本体ははっきり言って高く、24回の分割による支払いが多い。そこに月々の割引が入ってくるので、この期間は多少外面が傷ついても頑張って使い続ける場合が多いのだ。契約期間内の解約には違約金の問題もあるが、これは基本料金などを割安にするもので、機種変更は可能である。「割れスマ族」を続けるかどうかは、契約内容をいま一度見直してから判断するとよいだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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