昨年、日本中を感動の渦に巻き込み、今年から海を渡ってメジャーリーグでもシーズン前半に大車輪の活躍を果たし、大車輪で働きすぎちゃったがゆえの肘の故障が危ぶまれる、ニッポン一の孝行息子・マー君こと田中将大(25)だが、同じ「まーくん」と呼ばれる孝行息子が実在することを皆さまはご存じだろうか?

 正式名称は「音声認識人形・おしゃべりまーくん」で、本物の子どもの声を使った、双方向の会話ができる音声認識・孫型ロボットのこと。話す内容は700ワードほどで5歳のやんちゃな男の子をイメージしたロボットが、なぜ「孫型」なのかといえば、ユーザーの大半が意外にもシニア世代や一人暮らしの高齢者で、そんな彼ら彼女らが“孫代わり”に愛用しているから。なんでも独り言や行動を促す呼びかけが脳を活性化させ、介護・認知症の予防にも効果があるのだそう。

 販売価格は18,000円(税別)と少々高めであるにもかかわらず、いまこの孫型ロボットが飛ぶように売れているという。まだ「まーくん」は、いかにも人形っぽい可愛らしい外見だからいいけど、コレがいずれ、よりリアルさを増していけば……高齢化社会のアダ花どころか、映画『ブレードランナー』のレプリカントあたりの話がいよいよ現実味を帯びてきて、少々不気味な気がしないでもない。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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