近年、流行りの「肉食系」「草食系」の分類においては、一応「肉食系」にカテゴライズされるが、日本だと高級とされるコテコテの“霜降り肉”をあえて敬遠し、あっさりとしたUS牛やオージービーフ系の“赤身肉”を好む今どきの若者男子のことを、こう呼ぶ。

 性癖的な面に特定すると、濃厚なテクニシャン女性と濃密な情交を結ぶよりも、済ますことはさっさと済まして、あとは二人でDVDとかを部屋で鑑賞するような関係を望むが、実際「赤身肉食系男子」は、たとえば焼き肉屋でも、カルビよりハラミやタン塩をすすんで注文するケースが圧倒的に多い。筆者がまだ20代だったころは、カルビ抜きの焼き肉なんてあり得なかったのだが……。

 しかも、ダイエットとかを考えているのか、あっさりした赤身肉だからといって、量をたくさん食べるわけでもなく、「最近、脂っぽい肉が食べられなくなっちゃって……」などと爺さんみたいなことを普通に友人同士で語っていたりしている。これもまた、日本の食文化の緩やかな欧米化だという見方もできるのでないか?

[類似語]マグロ男子
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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