大手家電メーカーでは、たくさんの研究開発費用を投入して、毎年のように冷蔵庫やエアコン、電子レンジなどの新モデルを発売する。しかし、次のモデルが出ると、ワンシーズン前のものは十分に使えても市場価値は下がってしまう。

 ジェネリック家電は、そうしたすでに開発された技術や部品を、特許を侵害しない形で利用して作られた製品だ。国内の中小メーカーが手掛けており、大量生産されている定番部品を多用するのが特徴で、ブランド力のある大手家電メーカーの製品と同等の性能を備えているのに、価格はリーズナブル。

 価格を抑えるためのもう一つの秘訣が、搭載する機能をシンプルにしていること。たとえば、オーブンレンジを例に挙げてみよう。料理や素材を温めるだけではなく、蒸したり、焼いたりとさまざまな機能が備わっている大手家電メーカーA社のオーブンレンジは約10万円。一方、ジェネリック家電の中には温める機能に絞ったことで、1万円程度で購入できるものもある。

 使用している素材も環境基準を満たしている。独自の安全基準を設定したり、耐久性テストなども行ったりしている。ただ安いだけですぐに壊れてしまうようなB級品ではないので、安心して使うことができる。

 ジェネリック家電は、基礎的な技術があれば製造できる掃除機、電子レンジ、ホットカーペットなどの小型から中型のものが多い。ブランドにこだわりがなく、シンプルな機能を求める人には、価格の安いジェネリック家電はおすすめだ。

 なお、ジェネリック家電は集英社およびジェネリック家電推進委員会の商標である。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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