「憲政史上、初めての画期的な取り組み」なのだそうだ。

 政府は4月から閣議と閣僚懇談会の議事録を作成し、3週間後に首相官邸ホームページで公表する。

 閣議と、閣僚が意見交換する閣僚懇談会は、原則として毎週火曜、金曜の午前中に行なわれている。1885(明治18)年の内閣制度創設以来、その議事録は作られてこなかった。新聞・テレビで報道される内容は、閣議終了後の記者会見で官房長官、各省大臣らが記者たちにブリーフしたものをもとにしているわけだ。

 議事録作成の狙いは「政策決定の透明性を高める」ことにあるという。特別秘密保護法で「情報公開に消極的」と喧伝された安倍政権にとっては、それを払拭する側面もある。

 ただ、公開されるのは発言要旨になる見通しで、「議事録」というほど一語一句、綿密に記録されるかは微妙だ。安全保障関連など国益上、当然、伏せなければならないものは非公開なのは当然だし、一定の公開条件がつくからだ。そもそも閣議の大臣発言は、「あらかじめ用意された文面を読み上げるものが多く、形式的なもの。議事録を公表しても何ら意味はない」(政治ジャーナリスト)との指摘もある。

 政治的なパフォーマンスということか。

   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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