安倍晋三首相が、政権の外交・安全保障政策のキーワードとして盛んに用いているのがこの「積極的平和主義」。

 その意味するところは「国際協調主義に基づき、積極的に世界の平和と安定に貢献する国にならねばなりません」(安倍首相、10月15日、臨時国会での所信表明演説)ということらしい。

 日本が「一国平和主義」から脱し、国連の「集団安全保障」の枠組みに、これまで以上に積極的に参加していこうというわけだ。具体的には自衛隊による国連平和維持活動(PKO)などを念頭に置いている、とされる。

 積極的平和主義をめぐっては、「集団的自衛権の行使」にまで踏み込んだ考え方だとの指摘もある。

 集団的自衛権とは、同盟国が攻撃された際に、自国への攻撃と見なして反撃する権利のことを言う。政府は現在、憲法9条との兼ね合いから「国際法上権利は保有するが、憲法上、行使できない」との立場だ。安倍首相は集団的自衛権が行使できるよう、そうした政府の憲法解釈の見直しに強い意欲を示している。

 安全保障は日本の行方を左右する重要な問題だ。国会でしっかり議論してほしい。

 

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
ジャパンナレッジとは 辞書・事典を中心にした知識源から知りたいことにいち早く到達するためのデータベースです。 収録辞書・事典80以上 総項目数480万以上 総文字数16億

ジャパンナレッジは約1900冊以上(総額850万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。
日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。 (2024年5月時点)

ジャパンナレッジ Personal についてもっと詳しく見る