ものの本では1980年代の流行語とされる「しょうゆ顔」だが、現役で生き残っている言葉のようだ。和風フェイスはどの時代も一定の支持を保つ。それを踏まえて、2013年の注目株は「しょうゆ顔」よりもさらにアッサリした「塩顔男子」らしい。一重ないし奥二重のクールな目が特徴で、芸能人では加瀬亮(りょう)や向井理(おさむ)、人気の再燃した西島秀俊などが挙げられることが多い。要するに、「よい意味で薄いイケメン」といった感じだ。ちなみに、塩顔男子を好む女性は、線が細い印象とは対照的に、喉仏など肌の露出している部分がゴツゴツしているところに色気を感じるそうである。

 一方、「ヘビ顔男子」という言葉も話題だ。「塩顔」との区別が微妙で、ほとんど同意義に使われている場合もあるが、少し離れ気味の目が特徴となる。「ヘビ顔」はハ虫類の、ある種のクレバーなイメージを投影した表現。綾野剛(あやの・ごう)や松田翔太(しょうた)などがよく挙げられる。クールを通り越して冷たい印象も受けるところが、かえってイイとのこと。「塩顔」と「ヘビ顔」を合わせると、現在の若手人気俳優とされる顔がほとんど含まれるのではないか。「ソース顔」は少し受難の時代を迎えた?

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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