SNSの雄として一時代を築いたmixi(ミクシィ)だが、このところ元気がない。ツイッターなど他のサービスに押され、シェアは激減。mixiといえば、機能改修のたびにユーザーが「改悪」と怒り出すのが恒例だったが、企業側では意に介していないように見えた。これが別のSNSに乗り換える動機にもなっていただろう。

 このまま求心力を失い続けるのか。悲観的な見方もあるが、少しずつ打開への糸口も見えてきている。たとえば、スマートフォン向けのフォトブック作成アプリ「ノハナ」のヒットが挙げられる。想定するユーザーは「家族」だ。フォトブックのサービスはほかにもあるが、スマホに子どもの写真がそのままになっている親たちに目をつけた。ノハナはアップした写真を自動的に編集しデザイン性の高い一冊にまとめ、毎月無料(送料は別)で届けるサービス。2冊目以降は有料になるので、そこで収益を期待する仕組みということだが、送付時の封筒を活用すれば広告などのビジネスモデルも考えられるだろう(ただし当面はあざとい宣伝の臭いを避ける意向とのこと)。

 報道によれば、2013年8月現在、フォトブックの発行は10万冊に達している。好調を受け、事業は法人化されることになった。「ノハナ(nohana)」の名前は、ハワイ語の「家族(ohana)」に、「m」ixiの「次」ということで「n」を冠したもの。ノハナはmixiのネクストステージを牽引できるだろうか。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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