婚活とは「就活(就職活動)」から派生した言葉で結婚活動を縮めたもの。中央大学の山田昌弘教授が“産みの親”とされる。

 『週刊新潮』(3/28号)は「妙齢女性が殺到する『婚活神社』十傑のご利益」という特集を組んでいる。500人の婚活女性を取材したという、にらさわあきこさんの見解を参考に、『新潮』が婚活神社十傑を選んでいる。

 10位は東京都渋谷区の「代々木八幡宮」。「数年前にパワースポットが流行ったころに有名になりました」(にらさわさん)。静かに婚活詣でをするのにいいという。9位は鎌倉市の「鶴岡八幡宮」。どちらかというと「婚活に成功した人に勧めたい」(同)そうである。

 8位は三重県伊勢市の「伊勢神宮」。「良縁を謳(うた)っているわけではありませんが、皇室人気も相まって」(同)絶大な人気だそうである。7位は埼玉県川越市の「川越氷川神社」。「境内の小石をお浄めした“縁結び玉”を、毎朝20人に配っています」(神社の関係者)。末広がりで縁起のいい8時8分に良縁祈願祭を行なったり、お守りや絵馬を渡している。

 6位は京都市にある「安井金比羅宮(こんぴらぐう)」。宮司は「当宮は、一切の欲を断ち切って参籠された崇徳(すとく)天皇をお祀りしていますので、悪縁を切って良縁を持つご利益がございます」と話す。5位は60年ぶりの大遷宮が行なわれている島根県出雲市の「出雲大社」。創建の逸話が『日本書紀』にも記されている神話の故郷。県と出雲市などが「神話の国縁結び観光協会」を立ち上げたり、出雲空港を「出雲縁結び空港」と改名するなどの取り組みが功を奏して、若い女性たちが押しかけているそうだ。

 4位は島根県松江市の「八重垣神社」。ここは素戔嗚尊(すさのおのみこと)と稲田姫が住居を構えた場所にあるそうで、古くから縁結びの神社として知られている。社務所で売られている薄い半紙の中央に小銭を乗せ池に浮かべ、紙が遠くに流れていけば遠くの人と縁があり、早く沈めば早く縁づくとされるそうである。多い日は半紙が数百枚売れるそうだから、なかなか商魂たくましい。

 3位は東京都台東区の「今戸(いまど)神社」。宮司の妻・市野恵子さんがこう話す。「5年前から縁結び会を月に1、2回行っていて、全国から来られて、結婚したカップルは40~50組にも上ります」

 2位には伊勢神宮の東京における“分社”に当たる千代田区の「東京大神宮」。「神前結婚式が初めて行われた神社で、縁結びのご利益でも知られ、お守りの数も多いです」(関係者)

 堂々の第1位は神奈川県箱根町にある「九頭龍(くずりゅう)神社」。正月恒例になっている箱根駅伝の往路の終点に近い箱根神社の“分社”で、遊覧船などに乗らなければ行けない。「祀られているのは龍の神様だから、商売繁盛にいいのかと思っていたけど、いつの間にか縁結びによいと口コミで広がってテレビの取材も増えた」(神社の関係者)。多い日は20代、30代の女性が1000人くらい来るそうである。

 先の「今戸神社」の市野さんは、常々、婚活女性たちにこう苦言を呈しているという。

 「婚活がうまくいかない人は心を入れ替えなきゃダメ。欠点を注意するし、服装や態度の指導もしますよ。お守りを持ってじっとしていてはダメ。9割は自分の努力、残りの1割は神様のご加護のつもりでね」

 神様だって「高収入でやさしくてハンサム」な手持ちの男にはかぎりがある。分けていただくためには、日々自分を磨く努力が必要なこと、いつの世も変わらない。

 

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   


元木昌彦(もとき・まさひこ)
金曜日「読んだ気になる!週刊誌」担当。1945年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社に入社。『FRIDAY』『週刊現代』の編集長をつとめる。「サイゾー」「J-CASTニュース」「週刊金曜日」で連載記事を執筆、また上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで「編集学」の講師もつとめている。2013年6月、「eBook Japan」で元木昌彦責任編集『e-ノンフィクション文庫』を創刊。著書に『週刊誌は死なず』(朝日新書)など。
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