日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 前回「令」と令など、漢字の字体について書いたが、ひらがなにもデザインによる字形の違いがあるということをご存じだろうか。そのため、ひらがなを学び始めた子どもが印刷文字を見て迷うということがけ

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 国語辞書編集部には日々ことばに関するさまざまな質問が寄せられる。その内容は多岐にわたっているのだが、小学生からは漢字の字体に関する質問が比較的多い。 
 たとえば、「令」の字。教科書では令なのに、

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 各地のぐい呑みを集めている。先日も、仕事で沖縄に行った折に、那覇市内の「壺屋やちむん通り」で気に入ったものをいくつか求めた。
 「壺屋やちむん通り」というのは、沖縄の代表的な陶器である壺屋焼の窯元やお店が並ぶ一画である。壺屋焼は17世紀に琉球(りゅうきゅう)王朝によって各地に分散していた窯元を集結させたことに始まるといい、素朴な味わいをもった陶器が多い。
 ところで、この通り

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 うなぎが好きでよく食べに行く。
 先日、上野池之端にあるうなぎ屋に行ってお品書きを見たところ、うな重は「松」と「竹」があり(「梅」はなかった)、値段は「松」よりも「竹」のほうが高い設定になっていた。普通、「松竹梅」で値段の違いを示すときは「松」が一番高く、以下「竹・梅」と続くことが多いのでおやっと思った。
 だが、この「松竹梅」は実は順序や等級の優劣を表すことばではないのであ

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 「手をこまぬく」「手をこまねく」、どちらが正しいのかという質問を受けた。
 結論から言えば、どちらもよく使われる言い方で、一方が間違いということはない。
 ただ、テレビ・ラジオではコマヌクを第一、コマネクを第二の読みとしている。これは、コマヌクが伝統的な形で、コマネクは比較的新しい言い方だからである。
 「こまねく」が新しい言い方だということは、戦前の国語辞典には

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