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  11. 近世説美少年録

近世説美少年録

ジャパンナレッジで閲覧できる『近世説美少年録』の日本古典文学全集・世界大百科事典・日本大百科全書のサンプルページ

新編 日本古典文学全集
近世説美少年録
きんせせつびしょうねんろく
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【現代語訳】
大将であった菊池武政の嫡子肥後守武朝の残党の、菊池肥後太郎武俊と呼ばれる者が、亡くなった武朝に縁のある者を集めて、肥後国阿蘇郡の阿蘇山の古城に立て籠り、近郷や隣郡を襲撃して、もっぱら猛威を振るう実情を、九州の守護大伴親春・太宰少弐らが上京させた急使が既に京都に到着して、詳しく報告した。そこで将軍義稙は、前管領高国・新管領義興・畠山尾張入道卜山・近江判官高頼らの主だった家臣を御前に呼び集めて、一同評議をこらしなさった。

その時、畠山尾張入道卜山が進み出て申すには、「菊池は元弘・建武のころ、入道寂阿が南朝側で、後醍醐天皇の御ために討死をした時から、武光・武政に至るまで南朝に従って、一度もその忠義の志を変えません。九州の数か国を我が物として、一方に雄たる勢力を張っていたが、南北両朝が御和睦してからは、その武力は衰えました。そこで、この時において、前の将軍鹿苑院義満公は、菊池武政を征伐するため、御自身で数万の精兵を率いて、九州に下向なさいました。武政は途中に待ち受けて、しばらくは防戦したものの、あちこちの出城を攻め落されて、降参する部下が多かったので、とうとう武器もなくなり勢いも尽きて、なすすべのないままに、戦旗を下ろし兜を脱いで、おめおめと御陣所に参上して、言

【目次】
目次
古典への招待
凡例

近世説美少年録(扉)
近世説美少年録 第一輯(扉)
近世説美少年録 第一輯 壱
第一回  諫を拒て管領古廟に陣す 屯を驚して水火驕将を懲す
第二回  窮厄を脱れて弘元漁家に宿る 理乱を弁じて它六俊士を資く
近世説美少年録 第一輯 弐
第三回  賊巣を突て弘元連盈を捕ふ 蛇穴を焼て義興禍胎を遺す
第四回  御廟野に興房阿夏に遭ふ 鴨河原に両情春夢を結ぶ
近世説美少年録 第一輯 参
第五回  緑巽亭に蛇げっ胎に馮る 千本畛に兇徒命を喪ふ
近世説美少年録 第一輯 四
第六回  密使茶店に貴翰を伝ふ 美婦子を携て情人を送る
第七回  二賊剪径して父女を屠る 一妻羞を忍て両讐に従ふ
近世説美少年録 第一輯 五
第八回  神僧歌を咏じて解脱を示す 阿夏計を定めて旧怨を雪む
第九回  駿馬流に臨て母子を全うす 美玉介と做て孤客を留む
第十回  関帝廟に少年義を結ぶ 福富村に幼女別を惜む
近世説美少年録 第二輯(扉)
近世説美少年録 第二輯 壱
第十一回  旧情西を慕ふて阿夏起行す 遠謀程を警めて福富贐を分つ
近世説美少年録 第二輯 弐
第十二回  憂苦訴難く泣て帰帆を俟つ 繁華親易く漫に遨遊を事とす
第十三回  垂柳橋に客婦絃歌を売る 侯鯖楼に洛人旧妓を認る
近世説美少年録 第二輯 三
第十四回  苦雨初て霽て残花春に遇ふ 楽地空しからず赤縄更に繋ぐ
第十五回  青ふ厄を釈て子母故郷に還る 黄門情を察して艶童西家に留る
第十六回  三碗の清茶暗に元盛を動す 一箇の湯銚克く国友を悦しむ
近世説美少年録 第二輯 四
第十七回  狡豎利を説て季孟を和ぐ 墨吏勢を屓て役夫を屠る
第十八回  讒を信じて道永嬖臣に誓ふ 怨を秘して尹賢香西を陥る
近世説美少年録 第二輯 五
第十九回  茂林社に悪少捕らる 三石城に叔てつ再会す
第二十回  享禄の役君臣乱離す 鷹捉山に晴賢麑を逐ふ

解説
一 その諸本
二 成立の諸相
三 本作の時代背景
四 『檮こつ閑評』の翻案方法
付録(扉)
近世説美少年録年表(一)
主要登場人物
登場人物系図・足利氏系図
参考文献解題
地図
奥付



世界大百科事典

近世説美少年録
きんせせつびしょうねんろく

読本。曲亭馬琴作。国貞・北渓画。第1輯1828年(文政11),第2輯1829年(文政12),第3輯1832年(天保3),第4輯1834年(天保5)刊。一時中断の後,続編は《新局玉石童子訓》と改題し,失明後の馬琴の口授編纂にかかり,1845-48年(弘化2-嘉永1)に至るまで30巻30冊(正続ともに50巻45冊)が刊行されたが,馬琴病没のため,ついに未完に終わった。動乱の戦国に時代をかり,大内家家臣陶(すえ)瀬十郎と女歌舞伎阿夏(おなつ)との間に生まれ,のちに主君大内義隆を滅ぼす末朱之介(すえあけのすけ)晴賢(はるかた)と,厳島の戦で晴賢を破る大江杜四郎(もりしろう)成勝の,悪と善の2少年の行状を中心に物語は展開する。2少年はそれぞれ正史における陶晴賢,毛利元就に擬せられている。勧善懲悪の思想は,従来の馬琴の小説に同じく一貫したものがある。中国明代の小説《檮杌間評(とうごつかんぴよう)》の影響の下に,主役たると脇役たるとを問わず,悪人淫婦の造型が単に因果や天性によるとする決定論を超えて,新たに境遇の人間形成における重大さを描き,さらには情事の描写も奔放自在で,人情の根底をつき,馬琴文学掉尾の異色作と目されている。
[松田 修]

[索引語]
曲亭馬琴 新局玉石童子訓


日本大百科全書(ニッポニカ)

近世説美少年録
きんせせつびしょうねんろく

江戸時代の読本 (よみほん)。曲亭馬琴 (ばきん)作、歌川国貞 (くにさだ)・岩窪 (いわくぼ)北渓・3世豊国挿絵。41巻45冊。初輯 (しょしゅう)は1829年(文政12)、2輯は30年、3輯は32年(天保3)に大坂屋半蔵と丁字屋 (ちょうじや)平兵衛から刊行され、続編『新局玉石童子訓 (しんきょくぎょくせきどうじくん)』は、初帙 (しょちつ)、2帙が1845年(弘化2)、3帙、4帙が46年、5帙が47年、6帙が48年に丁字屋平兵衛から刊行されたが未完に終わる。正史に著名な厳島 (いつくしま)合戦に取材し、主君大内義隆 (よしたか)を弑 (しい)し毛利元就 (もうりもとなり)に滅ぼされた陶晴賢 (すえはるかた)を、阿夏 (おなつ)と陶瀬十郎との道ならぬ子末朱之介晴賢 (すえあけのすけはるかた)とし、毛利元就を大江杜四郎成勝 (もりしろうなりかつ)としてこれに配し、悪と善の2少年の伝をたてた。中国清 (しん)代の白話 (はくわ)小説『檮杌間評 (とうごつかんびょう)』に構想を借り、人情と悪の描写に精彩を放っている。

[徳田 武]

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日本大百科全書
江戸時代の読本よみほん。曲亭馬琴ばきん作、歌川国貞くにさだ・岩窪いわくぼ北渓・3世豊国挿絵。41巻45冊。初輯しょしゅうは1829年(文政12)、2輯は30年、
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日本国語大辞典
江戸後期の読本。六輯四五冊。曲亭馬琴作、歌川国貞・岩窪北渓画。文政一二~天保三年(一八二九~三二)刊、後半は「新局玉石童子訓」と題して、弘仁二~五年(一八四五~
4. きんせせつびしょうねんろく【近世説美少年録】
国史大辞典
江戸時代後期小説、読本(よみほん)。曲亭馬琴作。文政十二年(一八二九)―天保三年(一八三二)刊。三輯十五巻。戦国時代、末朱之介(あけのすけ)・大江杜四郎(もり
5. 近世説美少年録
日本古典文学全集
主君・大内義隆を殺し、毛利元就(もとなり)に滅ぼされた陶晴賢(すえはるかた)の史実を題材にした。悪美少年・末珠之介(あけのすけ)晴賢(モデル晴賢)の生い立ちと善
6. 『近世説美少年録』
日本史年表
1829年〈文政12 己丑〉 この年 曲亭馬琴 『近世説美少年録』 刊(~天保3年)。
7. 近世説美少年録(著作ID:160225)
新日本古典籍データベース
きんせせつびしょうねんろく 美少年録 曲亭馬琴(きょくていばきん) 作 歌川豊国三世(うたがわとよくに3せい) 魚屋北渓(ととやほっけい) 画 読本 初輯文政一
8. あし‐しろ【足代】
日本国語大辞典
ち)よりうちのさはぎは、此道に入皆足代(アシシロ)と、分知り和尚もときたまへり」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・一一回「いでや武芸の試撃(しあひ)し
9. あっ‐こん[アク‥]【悪棍】
日本国語大辞典
一種悪棍〓」とある。また、「読本・近世説美少年録‐一・六回」に「証拠なければ悪棍(ワルモノ)も、そを非とは争ひかねて」とある。
10. あと‐ばた【疥迹】
日本国語大辞典
〔名〕天然痘をわずらったあと。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・一四回「大(いた)く顔瘡(おもぐさ)を患しかば、主君に姑(しばら)く暇を賜り、有馬の温
11. あらび‐お[‥を]【荒男・荒雄】
日本国語大辞典
〔名〕荒々しい男。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・三回「山〓(やまかせぎ)する暴悪雄(アラビヲ)の」
12. あるじ【主】
日本国語大辞典
」〔小説奇言‐三〕、「俺(われ)復(また)那裡(かしこ)に赴きて、東道(アルジ)をせん」〔読本・近世説美少年録‐三・二三回〕のように用いられているが、「東道」は
13. いい‐ぼん[いひ‥]【言分】
日本国語大辞典
〔名〕言いたいこと。文句。いいぶん。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二五回「さん候、沙金(さきん)を遞与(わた)すに相違なくば、何しにいひ品(ボン)
14. い‐えつ【怡悦】
日本国語大辞典
ひじょうなよろこび。*古活字本毛詩抄〔17C前〕八「成王の心を怡悦させて悦ばせたとあるぞ」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二七回「快々(とくとく)准
15. い‐ぎ【異議・異儀・異義】
日本国語大辞典
・平家女護島〔1719〕二「流人(るにん)三人関所異義なく通すべき者也と読上て」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・一一回「住持はいかでか異議(イギ)す
16. い‐じつ【異日】
日本国語大辞典
日に、又はまいりさうまいぞ。異日は先日とあるが、其も不定ぞ。ここは後日と云心ぞ」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・三〇回「然らば約束せし人より、異日(
17. いなのめ
日本国語大辞典
休らへまほならずとも〈源俊頼〉」*書言字考節用集〔1717〕二「凌晨 イナノメ」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二九回「黎明(イナノメ)の比(ころ)
18. いぼい[いぼひ]
日本国語大辞典
(きゅう)をすえたあとが膿(う)みただれること。また、そのあと。いぼり。えぼい。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・三〇回「灸灼(やいと)の潰痂(イボヒ
19. い‐もん【異聞】
日本国語大辞典
〔名〕「いぶん(異聞)」に同じ。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二九回「是第一の異聞(イモン)なり」
20. いら‐ひど・い【苛酷】
日本国語大辞典
大分いらひどいわろじゃ」*雑俳・柳多留‐一〇〔1775〕「いらひどい玉づさの来る大三十日」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・七回「
21. いろは‐ふちょう[‥フテフ]【以呂波符牒】
日本国語大辞典
〔名〕「いろはばんごう(以呂波番号)」に同じ。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・一〇回「建つづけたる土庫(ぬりごめ)は、月影に白壁光りて、字母号(イロ
22. いんが‐りんりん[イングヮ‥]【因果輪輪】
日本国語大辞典
〔名〕「いんがりんでん(因果輪転)」に同じ。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・五回「一窮一達、因果輪輪」
23. うまい【旨・甘】[方言]
日本方言大辞典
方言記(桂井和雄)1953 熊本県八代郡919方言と性格と分布相(田中正行)1942読本近世説美少年録一・七回「魚肉ととで美飯まんまの年中案楽」(5)米。幼児語
24. え‐しゃく[ヱ‥]【会釈】
日本国語大辞典
っきん)薬師寺次郎左衛門、役目なれば罷通ると、会釈(ヱシャク)もなく上座に着ば」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・九回「うち微笑(ほほゑみ)つつ会
25. えだ‐じろ【枝城】
日本国語大辞典
代として信玄の旗奉行〈略〉上原図書入道随応軒に庭屋左衛門尉以下先方を差し副へて」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・一回「処々の支城(エダシロ)を攻め落
26. えん‐きょく【艷曲】
日本国語大辞典
曲の類、筆を弄して紙上に書し」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二三回「奥手に、三絃(さみせん)を掻鳴させて、艷曲(エンキョク)をもて興
27. おく‐ど【臆度】
日本国語大辞典
〔名〕「おくたく(臆度)」に同じ。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二九回「当否は知らず俺が臆度(オクド)もて」*造化妙々奇談〔1879~80〕〈宮崎
28. おとな【大人・乙名】
日本国語大辞典
作男や下男のかしら。*俳諧・新花摘〔1784〕「丈羽が家のおとななるもの来りて」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二七回「活業(なりはひ)は皆老僕(ヲ
29. お‐まけ【御負】
日本国語大辞典
べらぼうの一代記を読で聞せよう」*雑俳・柳多留‐一一四〔1831〕「お負なし元値五両の重ね褄」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二九回「金を添へしは阿
30. おも‐くさ【面瘡】
日本国語大辞典
〔1682〕二・三「目のうちすずしく、おもくさしげく見えて、どことなふこのもし」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・一四回「われは持病の逆上(のぼせ)に
31. かい‐い【介意】
日本国語大辞典
はさ)む」の意)意に介すること。気にかけること。心にとめること。また、その気持。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・二〇回「必(かならず)な怪みそ、と明
32. かいがい‐し・い[かひがひ‥]【甲斐甲斐】
日本国語大辞典
04〕「Caigaixij (カイガイシイ)〈訳〉活気のある、強壮な、勇ましい」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二八回「女あるじの事にしあれば、小忠
33. か‐き[クヮ‥]【火器】
日本国語大辞典
〔名〕(1)火を入れる器具。火鉢の類。(2)火薬の爆発圧力を使って弾丸を発射する兵器。銃砲。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・三回「舶来新渡の火器(ク
34. かけ‐わな【掛罠】
日本国語大辞典
カケワナ)におちし鼠をうらやむ思」(2)人情や色情によって人をおとしいれること。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二九回「皆騙姦(つつもたせ)の手段に
35. かごと‐がまし・い【託言─】
日本国語大辞典
置きあまる露に埋もれて、虫の音かごとがましく、遣水(やりみづ)の音のどやかなり」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二八回「只おん慈悲こそ願しけれ、と喞
36. か‐しょく[クヮ‥]【貨殖】
日本国語大辞典
」*色葉字類抄〔1177~81〕「貨殖 クヮショク」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二四回「田園(たはた)を多く購(あがなひ)求め、且里人に金を貸て
37. かつ‐ぶつ[クヮツ‥]【活仏】
日本国語大辞典
ツブツ)の来迎(らいがう)を見んとするとも」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・二〇回「実に是、濁世(ぢょくせ)に多く値偶(ちぐ)しがたき、人間未曾
38. がい‐だん【街談】
日本国語大辞典
→街談巷説。*史記抄〔1477〕一五・平津主父「縦横家者流は街談稗官から出た事ぞ」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二八回「風を追ひ影を捕ふる街談(ガ
39. が‐こう[グヮカウ]【画稿】
日本国語大辞典
て、名筆の絵共をあつめて、さうにして、金襴にて表紙をして、ちがいだなにをかれ候」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二輯序「必手づから画稿をものして、その趣
40. が‐しゃ[グヮ‥]【画者】
日本国語大辞典
歌「譬へば画者の画き得たる、奕者の棋に勝ち得たる心に同じ」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二輯・序「その趣を画者に示して」
41. き‐か[‥クヮ]【奇貨】
日本国語大辞典
善良見〓忌而永沈」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二八回「阿鍵刀
42. きかく の 勢(いきお)い
日本国語大辞典
双方が相対して他を圧倒しようとすること。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・一回「掎角の勢ひを張りたれども」*明治月刊〔1868~69〕〈大阪府編〉四「
43. き‐かん[‥クヮン]【帰館】
日本国語大辞典
カエル」*浄瑠璃・伽羅先代萩〔1785〕二「殿様只今御帰館なるぞ。御門を早く開かれい」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・五回「やうやく帰館(キクヮン)
44. きく‐もん【鞫問・鞠問】
日本国語大辞典
是実。還依〓首論」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・六回「
45. き‐じ【奇事】
日本国語大辞典
無用の談なれども奇怪なれば記〓之」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・二九回「富も栄も五十年、家さへ身さへ一炊の夢物がたりにならんとは、〈
46. き‐ぬき【着抜】
日本国語大辞典
〔名〕一度袖を通して水で洗ってあるために、新品よりも気やすくなっている着物。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕三・一四回「敗衣(ふるぎ)を好みて被抜(キヌ
47. きゅう‐しゃく[キウ‥]【旧借】
日本国語大辞典
之云々」*実隆公記‐文亀三年〔1503〕九月三日「今度南都徳政旧借悉棄破了」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・一五回「渠等が客
48. きゅう‐だん[キウ‥]【糾弾・糺弾】
日本国語大辞典
疑殆〓兮」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・一五回「今に至て、その罪を糺弾(キウダン)せば、誰か仁者の所行(わざ
49. きゅう‐やく[キウ‥]【救厄】
日本国語大辞典
〔名〕厄難から救い出すこと。*読本・近世説美少年録〔1829~32〕一・一回「救厄(キウヤク)の恩に答ふべし」キューヤク
50. きゅう‐やく【窮厄】
日本国語大辞典
彼も頼み少き身となりて、甚窮厄してありしに、去ながら、其好所の業は廃せざりしを」*読本・近世説美少年録〔1829~32〕二・一九回「わが窮厄(キウヤク)を救せ給
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秦・漢以前の古文辞に対する確固たる自信から孔子の言論を読みとく,論語の注釈のなかでもっとも論争的な注釈書。卓抜した孔子論を展開するとともに,徂徠自身の思想も開陳する。第1巻は,学而,為政,八佾,里仁,公冶長,雍也,述而,泰伯。1994年03月刊
近世和歌集(日本古典文学全集)
年内立春 去年と今年の二本の緒で縒り合わせて掛けて同じ年が一本にまとまらないように、こんがらがってなかなか理解できない春はやって来た。やや趣向倒れの感がある。長嘯子としては機知を働かせたのだろうが。鶯 軒端の梅が咲いていて、一晩中鶯の到来を
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