バカラ、ブラックジャック、ルーレット、スロットマシンなど、室内における(一定ルールの)ギャンブリング(賭博(とばく))を提供する場所をさす。もともとはイタリア語で小さな家を意味する「カサcasa」から派生したことばで、欧米では「ジ」と濁らず「カシノ」と発音することが多い。日本でもIR推進法(2016)やIR実施法(2021)の施行により、2030年ころには大阪を手始めにカジノ事業がスタートするものと思われる。
18世紀から19世紀にかけて、イタリア、ドイツ、フランスなどヨーロッパの国々、とくにその観光地・保養地において、社交的な目的も含めてカジノが設置されていたが、20世紀を迎える前に(一部の国を除き)その多くが禁止された。現在はふたたび合法化した国が多いが、ヨーロッパのカジノの多くは小規模なものである。
アメリカでは1931年にネバダ州、1976年にニュージャージー州でカジノが合法化され、その後1980年代後半から多くの州で合法化が進んだ。その背景として、ネイティブ・アメリカンの経済的自立と発展などを目的に1988年に連邦法として成立した「アメリカインディアン・ゲーミング規制法(IGRA:Indian Gaming Regulatory Act)」により、ネイティブ・アメリカンの自治区で比較的容易にカジノをスタートできたこと、またコントロールしやすい船上カジノなどを合法化した州がいくつかあったことなどがある。
カジノといえばバカラやルーレットなどのカジノディーラーがつくテーブル・ゲームを思い浮かべることが多いが、実はスロットマシンを中心とするマシン・ゲーム類のほうが売上げ、収益ともに過半を占める。テーブル・ゲームとマシン・ゲームのほかには、当りの数字を予想して賭(か)けるキノ・ビンゴ部門、スポーツ競技の勝ち負けに賭けるスポーツ・ブッキング(&レース)部門、トランプを使ったポーカー部門などがある。スポーツ・ブッキングとポーカーは成長を続けている部門である。
アジア圏でもカジノを合法化する国は増えつつある。とくにマカオ(中国領)での収益は、ネバダ州ラス・ベガスのカジノ全体の売上げの数倍に達しているほどである。ほかにシンガポール、フィリピン、カンボジア、ベトナム、インドなどで売上げを伸ばしている。アジア人にはギャンブル好きが多いとされ、統合型リゾート(IR)とは名ばかりの、ギャンブルが中心のホテル・カジノが多くを占めている。逆にIRの本家であるラス・ベガスは、カジノ以外のエンターテインメントへの多角化が進み、カジノからの収益は全体の35%程度にとどまっている。アメリカのカジノは巨大な施設(コンプレックス)が多い。
また、ネット空間を利用した「オンライン・カジノ」というものもある。その名のとおり、世界にはオンラインでいろいろなギャンブルをすることのできるサイトが数多く存在する。ヨーロッパでは合法化されたケースが少なく、アメリカではスポーツの賭けを中心に合法化する州が圧倒的多数になりつつあるが、日本では刑法上の違法行為にあたる。