広くは、死亡その他の事情によってその人の財産上の法律関係を中心とする法律上の地位を、主として親族関係にある者が受け継ぐことをいう。その形態は、社会により、また時代によりさまざまである。
財産の大半が氏族や家に属し個人の財産というものがほとんどなかった時代には、相続は家長としての地位の承継、祖先の祭祀(さいし)、家名の承継という面に重点が置かれ、財産の相続はそれに付随するものと考えられた。そのような相続制度のもとでは、相続人は必然的に単独であることを要求される(単独相続)。だれが相続人となるかは、歴史的、地理的に諸種の形態がみられる。古代ローマでは、遺言によって指定された相続人が家長としてその地位と家産を承継するのが原則であった(遺言がない場合には無遺言相続として共同相続となる)。単独相続がもっとも厳しく要求されたのは、封建制のもとにおける封地の相続についてであった。中世ヨーロッパでは、主君と家士との間で臣従の契約が結ばれると、家士は主君に対し軍務を中心とする忠誠の義務を負うと同時に、封地の授与を受けた。この封地は、貴族の体面を保つためと、忠誠義務履行の物質的保証であることから、不可分のものと考えられ、相続に際しては多くの子のうち家士としてもっともふさわしい者1人がこれを受け継ぐことが要求された。その結果、長男子の単独相続制が生まれたのである。日本でも事情は同じであって、中世以降、武士の相続は、家名の承継の観念と相まって、長男子の単独相続が行われた。もっとも、家産の分散を避けるために、家業の基礎となる財産(田畑、商店など)について単独相続の形をとる必要のあることは、武士以外の庶民においても同様であった。その場合は、長男子の単独相続ばかりでなく、最年長であれば女子でも相続できる姉家督相続や、末子だけが相続する末子相続のような慣行もあった。近代になって氏族・家が分解し、財産も個人の私有財産として意識されるようになると、相続は夫婦・親子といった小さな範囲の近親者の間における純然たる財産の承継という性質をもつことになる(財産相続)。この場合には、遺産は一定の順位の相続人間に平等に分配されるのが常則である(共同相続)。とくにフランス革命は、長男子相続制を維持してきた封建制度を根本的に廃棄して、平等主義を唱え、相続における諸子均分主義を確立した。
以上の類別のほかに、相続には自由相続(遺言相続)主義と、法定相続主義の二つの形態がある。自由相続主義とは、被相続人(死者)の主として遺言による自由な財産処分を広く認める主義であり、法定相続主義とは、だれが相続人となるかを法律で定める主義をいう。人は生前に自分の財産をどのように処分するかの自由を有するのと同様に、死後の財産の処分についてあらかじめ定めておく自由もあるというのが自由相続主義の根拠であるので、一般的にいえば、自由相続主義は個人の私有財産の自由処分を認める比較的近代の所産であるといってよい。しかし他方において、遺言は、古代ローマの家長の指定相続や、封建時代の貴族の家産の維持のためにも用いられた歴史をもつので、そのような面から遺言による相続に反情的な社会もあるなど、自由相続主義をとるか法定相続主義をとるかはその社会のさまざまな要因によって左右される。イギリス、アメリカは遺言相続が、フランス、ドイツや日本では法定相続が中心となっているが、自由相続主義をとる場合も補充的に相続人を法定する必要があり、また法定相続主義をとる場合も多かれ少なかれ遺言の自由が認められているので、両者の差異は見かけほどではないともいえる。なお、法定相続のたてまえと遺言の自由とを調和させるために遺留分の制度がある。
相続が家産の維持継承を主たる目的とする社会では、家長となるべき相続人は、被相続人の血族のなかから広くこれを求める必要があった(日本の家督相続では血族関係のない他人が家督相続人になることすらあった)。共同相続が行われる場合でも、かつては死者の財産はできるだけ死者の血族に相続させようという考えが支配的であり、たとえば1804年のフランス民法では、被相続人の12親等の傍系血族まで相続人となる資格が認められてきた。しかし、大家族が解体し親族間の連帯関係も薄れ、生活が小家族中心に行われるようになってくると、このような制度は「笑う相続人」(被相続人の死によって泣くはずの相続人が、遺産が転がり込んで笑っている状態。そのような者に相続させる必要はないことを意味する)を生むばかりだという批判を受け、今日では相続人となりうる血族はきわめて狭い範囲に限定されてきている。
ヨーロッパ諸国の相続法は、血族相続という観念が強く、配偶者は相続から除外されるか、きわめて劣った地位にたたされるかのいずれかであった(もっとも、夫婦共有財産制をとっている社会では、夫婦の一方が死亡すると共有財産が清算されることによって配偶者は分け前を得ることができる)。しかし、現代社会では、相続は遺族の生活保障であるという性格を強めてきており、その面から配偶者の相続権はしだいに強化される傾向にある。キリスト教国では、正当な婚姻によって生まれた子でない非嫡出子(嫡出でない子、婚外子)は家族メンバーたりえず、これを相続から除外するか、きわめて劣悪な地位に置くことが長い間行われてきたが、子の平等化の動きのなかで、1960年代以降、相次いで非嫡出子は嫡出子と平等の相続権をもつという立法がなされた。日本は、こうした流れに反して、非嫡出子に平等な権利を認めてこなかった。しかし、2013年(平成25)9月4日、「(2001年(平成13)7月に死亡した被相続人の)遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件」において、最高裁判所は、大法廷の決定によって、「平成13年7月当時においては、立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたというべき」であり、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定める民法900条4号但書は、「遅くとも平成13年7月当時において、(法の下の平等を定める)憲法14条1項に違反していた」とした(民集67巻6号1320頁)。この決定を受けて、同年、同号但書のうち、非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする旨を定める部分が削除され、非嫡出子に嫡出子と同等の相続権が与えられた。
推古(すいこ)天皇(在位592~628)以前の上代は神の支配する時代であり、その前期である弥生(やよい)文化の時代(前2、3世紀~後2世紀ごろ)には、氏上(うじのかみ)の地位の相続は火の相続であったが、中期(3、4世紀ごろ)には、相続の目的は氏神(うじがみ)の祭祀権の相続に変わった。氏上は氏神を祭り、神がかりの状態で神意を宣(の)ることによって、氏を支配できたからである。後期(5、6世紀ごろ)には神の威力は衰えて、各氏上の地位は天皇によって認められることが重要になったので、ここに各氏上が天皇に対して負う業(わざ)が相続の主たる目的となった。この業の相続が明治民法の行われるまで、日本の相続の中心観念であった。当時、氏の名称はその業の名をつける例だったので、ここに氏の名相続(祖名相続)の観念も生まれた。相続人の選定については、前・中期では神意によることも行われたが、後期になると主として被相続人の意思によることになった。
律令(りつりょう)時代の上世の相続には、継嗣令(けいしりょう)による相続と戸令(こりょう)応分条による相続とがあった。前者では、継嗣(嫡子)は、大宝(たいほう)令によれば、蔭位(おんい)(父祖のお蔭(かげ)により子孫に位を賜る)の形での位階の相続人であったが、養老令では、中国流の祖先崇拝を中心とする祭祀の相続人に変わった。後者は財産相続であり、養老令の規定では、遺産は被相続人の意思が分明のときはそれによったが、養老令には分明の証拠がない場合の法定相続人とその相続分が定められている。
中世では、武士については本家および分家よりなる一族の上首である家督が生まれたが、その地位の相続は結局本家の相続に帰着する。家の相続人は嫡子とよばれたが、嫡子は家業(武士については主人への奉公)の相続人であり、嫡出長子が嫡子となるのが普通で(長子相続)、これを「生得嫡子」とよんだ。財産の中心は所領で、生前に諸子に譲与するのが普通であったが、分割相続を続けると、家領が細分化し、家の実力と名声とが衰えるので、内部的には分割しながら、外部的には総領(普通は家督)が全体を知行するようにみせる総領制が前期(平安時代後半期)の末ごろ発達した。後期(室町時代)になると総領制も衰え、長男が単独で相続する単独相続制が発達した。室町時代には、また名の相続の観念が発達し、家の相続のことを名字(みょうじ)の相続とよんだ。
近世前期(戦国時代)には、武士の相続法と庶民のそれとが分離する傾向を示したが、江戸時代に入ると、両者ははっきり区別された。武士の相続は家名相続の観念と結合した封禄(ほうろく)の相続(それは家業すなわち奉公によって支持される)であり、長男の単独相続制であり、また相続とはいうものの、被相続人の願い出による封禄の再給にほかならなかった。庶民の相続では、家業の相続の意味で、農民では田畑屋敷の相続、商人では営業に必要な家屋(店)および金銀の相続が行われたが、地方によって相違はあるものの、一般的には、分割相続から単独相続へと移った。庶民には名字はなかったから、家名相続の観念はなかったが、これにかわるものとして、襲名があり、商人の間では屋号の相続が行われた。
明治時代になってからの変化として注目すべきことは、初期には家禄の制を有する士族については特別の扱いがなされたが、1877年(明治10)に家禄の制もなくなったこともあって、この前後から、士族・平民が同様の扱いを受けるようになったことである。また江戸時代の武士の制を一般化して、士族・平民を通じた、長男が家産と戸主権を単独に相続する家督相続の制が生まれたことである。
日本では明治民法時代には、戸主の地位の相続である「家督相続」と、戸主以外の家族の財産の相続である「遺産相続」とがあり、「家督相続」は家の財産の相続であると同時に、戸主たる地位そのものの相続でもあった。そのため相続人は1人に限られ(単独相続)、また戸主が隠居することによって家督相続が行われることが認められていた(生前相続)。第二次世界大戦後の民法改正で家制度が廃止されると同時に家督相続も廃止され、現在では相続は死後相続・財産相続に限られ、数人の者が同時に相続する共同相続が原則となった(民法882条~1050条)。
相続人になるのは、被相続人(相続される人)の、①子、②直系尊属(父母、祖父母など)、③兄弟姉妹、および被相続人の配偶者である。その順位は①、②、③の順で、配偶者はどの順位のものが相続人となる場合でもつねにかならず相続人になる。子が数人いる場合にはみな相続人となる。実子・養子・男女の別によって差別されないし、よそへ嫁や養子に出ていることも問題にされない。子が被相続人より前に死んでいた場合には、その者に子(被相続人にとっては孫)がいれば、その被相続人の孫が、生存する被相続人の子と同順位で相続人となる。これを「代襲(だいしゅう)相続」という。代襲相続は子が欠格・廃除によって相続権を失った場合にも認められる。代襲すべき者(孫)も被相続人より先に死んでいる場合にその子(曽孫(そうそん))がいれば、その子が再代襲する。
子や子を代襲する者が1人もいない場合には、第二順位として直系尊属が相続人となる。直系尊属のうちでは親等の近い者が相続人となる(父母と祖父母がいれば父母が相続人)。実父母・養父母どちらも相続人となることができる。直系尊属もいないときは、第三順位として兄弟姉妹が相続人となる。この場合にも代襲相続が認められる。すなわち、相続人となったはずの兄弟姉妹が被相続人よりも先に死んでいる場合には、その子(被相続人の甥(おい)・姪(めい))が代襲して相続人となる。被相続人の甥・姪の子は再代襲しない。
これらの血族の相続人がいない場合には、配偶者だけが相続人となる。相続人となる者の有無が明らかでないときは、「相続人不存在」の手続がとられ、家庭裁判所が選任した管理人が一方で相続人を捜索し、他方で遺産の整理をする。相続人が出てこない場合には、遺産は被相続人と生計を同じくしていた者(内縁の妻とか事実上の養子など)、そのほか被相続人と特別の縁故があった者に分け与えられることがある。それでも残った遺産は国庫に帰属する。
相続人となるためには、被相続人の死亡当時に生存しているか、胎児であること、また相続欠格者でなく、廃除されていない者であること(相続人資格)が必要である。故意に被相続人や自分より先順位または同順位の者を殺したり殺そうとしたために刑に処せられた者など、一定の不徳な行為をした者は相続欠格者として相続人となる資格がない。また被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えるなど、著しい非行のある相続人については、被相続人は生前でも遺言ででも、家庭裁判所に相続人廃除の請求ができ、家庭裁判所が廃除を認めると、その相続人は相続権を失う。
相続人が1人の場合には、その相続人は相続財産のすべてを1人で承継するが、同順位の相続人が2人以上いるときは、各自の相続の割合が決められなければならない。その割合を相続分という。相続分は、被相続人が遺言で指定する場合(指定相続分)と、遺言がなくて法律の規定による場合(法定相続分)とがある。なお、相続人の実際の取り分は、特別受益分を控除したり、寄与分を加えたりするため、法定の割合とは異なる数額になる場合がある。
また、2018年(平成30)の相続法改正により、相続人以外の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の支払いを請求することが認められた(特別の寄与。民法1050条)。すなわち、上記の改正前は、相続人以外の者は、被相続人の介護に尽くしても、相続財産を取得することができなかった。その結果、被相続人が死亡した場合に、相続人は、被相続人の介護をまったく行っていなかったとしても、相続財産を取得することができるため、不公平が生じる。そこで、相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行い、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした場合には、当該親族は、相続の開始後、相続人に対して金銭(特別寄与料)の支払いを請求することができることとなった(同法1050条1項)。
遺産は、金銭、土地、動産、貸金債権などのさまざまな財産で構成されているが、この個々の財産をだれに与えるかを具体的に決めて分配することを遺産分割という。被相続人が遺言で分割の方法を定めたり、またこれを定めることを第三者に委託したときは、これに従う。遺言がないときは共同相続人間の協議で定める。協議がまとまらなかったり不可能であれば、家庭裁判所で決めてもらう。分割は、遺産に属する物または権利の種類・性質、各相続人の職業その他いっさいの事情を考慮して行われる。
なお、2018年の相続法改正では、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他方配偶者に対し、その居住用建物またはその敷地を遺贈または贈与した場合には、持戻しの免除の意思表示があったものと推定し(同法903条4項)、遺産分割において、当該居住用不動産の価額を特別受益として扱わずに計算をすることができることにした。これによって、配偶者が保護されることとなった。
このほか、2018年の相続法改正では、相続された預貯金債権について、生活費や葬儀費用の支払い、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるよう、遺産分割前にも払戻しが受けられる制度が創設された(同法909条の2)。また、共同相続人の一人が遺産分割前に遺産に属する財産を処分した場合にも、共同相続人全員の同意により、当該処分された財産を遺産分割の対象に含めることができることとし(同法906条の2)、計算上生じる不公平が是正されている。
相続回復請求の制度は、相続人ではないのに相続人であると主張して遺産を占有する者(表見相続人)が、真正相続人の相続権を否定し、相続の目的である権利を侵害している場合に、真正相続人が自己の相続権を主張して、表見相続人に対し、侵害の排除を請求することにより、真正相続人に相続権を回復させようとするものである。民法は、この請求権を相続回復請求権(民法884条)とよび、相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知ったときから5年間行使しないときは、時効によって消滅する、との短期消滅時効を定めている(このほか、相続開始の時から20年を経過したときも、時効によって消滅する)。
民法が相続回復請求権について短期消滅時効を定めたのは、相続権の帰属およびこれに伴う法律関係を早期かつ終局的に確定させる趣旨である。それゆえ、実際の裁判においては、真正相続人が相続回復請求権を主張することは少なく、通常は、真正相続人が物権的請求権に基づいて相続財産の返還を請求した場合に、表見相続人が、その請求は相続回復請求権であるから時効消滅している、と主張することが多い。
ところで、相続回復請求権は、本来は表見相続人に対する真正相続人の相続の回復を目的とする。しかし、最高裁判所は、共同相続人間においても、相続関係を早期かつ終局的に確定させる必要があるから、相続回復請求権が認められるとした(昭和53年12月20日最高裁判所大法廷判決、民集32巻9号1674頁)。
ただし、相続回復請求権は、①他の相続人の権利を侵害しているという認識がない者、またはそう信じることに合理的理由がある者(善意・無過失の共同相続人)にのみ、短期の消滅時効の援用が認められる。これに対して、②自ら相続人でないことを知りながら相続人であると称し、またはその者に相続権があると信ぜられるべき合理的な事由があるわけではないにもかかわらず自ら相続人であると称し、相続財産を占有管理することによりこれを侵害している者(悪意・過失のある共同相続人)は、自己の侵害行為を正当行為であるかのように糊塗(こと)するための口実として名を相続に借りているものにすぎず、実質において一般の物権侵害者ないし不法行為者であって、いわば相続回復請求制度の埒外(らちがい)にある者にほかならず、消滅時効の援用を認められるべき者にはあたらない。したがって、この場合には、期間制限のない遺産分割手続を通して解決が図られることになる。
相続人が承継する遺産にはプラスの財産(積極財産)だけでなく、マイナスの財産(債務、消極財産)も含まれる。したがって遺産が明らかに債務超過の場合などには、相続人は相続しないほうが得であろう。そこで民法では、相続を承認する(相続承認)、あるいは放棄する(相続放棄)のいずれかを選ぶことができるようになっており、いわば選択の自由を相続人に認めた。相続を「放棄」すると、その相続人は初めから相続人とならなかったものとみなされる。相続を承認する場合には、積極財産とともに遺産のうちに含まれる債務をそのまま相続人が承継して遺産と相続人の固有の財産が融合してしまう「単純承認」と、相続によって得た財産の限度でだけ被相続人の債務や遺贈を弁済するという条件付きで遺産を承認する(したがって遺産はいちおう遺産だけで清算され、債務超過でも相続人の固有の財産は影響を受けない)「限定承認」の二つの種類がある。限定承認の場合は、相続人全員ですることが必要で単独ではできない。限定承認あるいは放棄をしようとするときは、自己のために相続が始まったことを知ったときから原則として3か月以内に手続をしなければならず、それをしないと単純承認をしたものとして扱われる。
相続は、被相続人の死亡によって開始する(民法882条)。そこで、親族等は、被相続人の死亡を知った日から7日以内に、死亡の届出をしなければならない(戸籍法86条1項)。この死亡届を提出することによって、火葬許可証が交付される。その後、遺言書があるかどうか、また、法律上誰が相続人となるかが戸籍の調査によって確認される。そして、このようにして確定された相続人は、相続財産の調査を行い、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、相続をするか否かを決めなければならない。たとえば、被相続人に借金がある場合に相続人は、相続をしない(相続放棄)か、または、相続をした財産の範囲内においてのみ借金も相続する(限定承認)ことを選択することができる。しかし、この3か月以内に相続の放棄または限定承認をしなかったときは、相続人は、借金をも含むすべての財産を相続したことになる(民法921条2号)。
相続財産は、相続開始と同時に相続人全員の共有に属し(同法898条)、相続人全員の協議によって遺産を分割することによって、初めて相続人個人の所有となる(同法907条1項参照)。この遺産分割協議について期限はない。しかし、被相続人の相続財産について相続税がかかる場合には、相続開始を知った日から10か月以内に相続人全員が相続税の申告および納税をしなければならないため、それまでに遺産分割協議が行われていることが前提となる。そして、この10か月という期限を過ぎると、控除や特例制度が利用できなくなるほか、延滞税を支払わなければならなくなる。それゆえ、相続税の申告期限は、かならず守らなければならない。もっとも、遺産分割協議がまとまらずに申告期限が迫っている場合には、「未分割の申告」という制度を利用することが可能である。この「未分割の申告」とは、各相続人が法定相続分を相続したものと仮定していったん納税を行い、その後協議がまとまった時点で改めて修正の申告を行って正式な納税を行うという手続である。
相続財産のなかに不動産が存在する場合には、相続人が相続による所有権移転登記をしなければならない。しかし、近年は、相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加し、所有者不明の土地問題や空家問題が生じている。そこで、法務省は、相続登記を促進させるために、法定相続情報証明制度を2017年(平成29)に新設した。この制度は、相続人が登記所に対し、①被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類等と、②その記載に基づく法定相続情報一覧図(被相続人の氏名、最後の住所、生年月日、死亡年月日、相続人の氏名、住所、生年月日および続柄の情報)を提出すると、登記官が、その内容を確認し、認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを交付するものである。そして、この写しは、相続登記の申請手続のみならず、被相続人名義の預金の払戻し等、さまざまな相続手続に利用することができ、それによって、相続手続に係る相続人と手続の担当部署の双方の負担が軽減することが企図されている。
先にふれたように、近年、所有者不明土地が生じ、その利用が阻害される等の問題が起きるようになった。こうした土地の利用と管理を適正化するため、2018年に「所有者不明土地法」(正式名称は「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」平成30年法律第49号)が制定された。所有者不明土地が発生する最大の要因として、相続登記の申請が義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることは少なかったことがあげられる。そこで、所有者不明土地の発生を予防する方策として、2021年(令和3)の不動産登記法の改正では、相続登記の申請を義務化し、その促進を図ることとした。
不動産登記法は、相続登記を促進するための方策として、一方では、相続人の側に相続登記の申請を義務化するとともに、他方では、登記官の側にも、登記名義人の死亡情報を入手して、これを登記に反映させる方法を取り入れた。
まず、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務づけた(不動産登記法76条の2第1項)。そして、相続人が「正当な理由がないのにその申請を怠ったとき」は、10万円以下の過料に処せられることとした(同法164条1項)。
もっとも、相続人が申請義務を簡易に履行することができるようにする観点から、新たな相続人申告登記が設けられた。すなわち、①所有権の登記名義人について相続が開始した旨と、②自らがその相続人である旨を申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることによって、申請義務が履行されたものとみなされる(同法76条の3第1項・第2項)。この場合に、申出を受けた登記官は、申出をした相続人の氏名・住所等を職権で登記に付記することができる(同法76条の3第3項)。
また、登記官の側における、登記名義人の死亡情報を入手して、これを登記に反映させるものとしては、登記官が他の公的機関(住民基本台帳ネットワークシステム〈住基ネット〉など)から死亡等の情報を取得し、職権で登記に表示する(符号で表示)制度が導入されることになった(同法76条の4。2026年4月施行)。詳細は「不動産登記法」の項目を参照。
この制度により、登記記録から所有権の登記名義人の死亡の有無を確認することができ、民間事業や公共事業の計画段階等において、所有者の特定やその後の交渉に手間やコストを要する土地や地域を避けることが可能になり、事業用地の選定がより円滑になることが期待される。
2021年4月、「相続土地国庫帰属法」(正式名称「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」令和3年法律第25号)が制定され、相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地の所有権または共有持分を取得した者が、法務大臣の承認を受けて、その土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度が創設された。
この制度の目的は、所有者不明土地の発生を予防することにある。すなわち、所有者不明土地は、土地の相続によって生じることが多く、その原因としては、①土地利用ニーズの低下等により、土地を相続したものの、土地を手放したいと考える者が増加していること、また、②相続を契機として、土地を望まず取得した所有者の負担感が増しており、管理の不全化を招いていることなどがあげられる。そこで、将来的に土地の所有者が不明となり、管理不全となることを予防するため、相続または遺贈によって取得した土地を手放して、国庫に帰属させることを可能とする本制度が創設されたのである。
その具体的な要点は、以下のとおりである。
①相続または遺贈によって、土地の所有権または共有持分を取得した者等は、法務大臣に対して、その土地の所有権を国庫に帰属させることについて、承認を申請することができる(同法2条1項)。
②法務大臣は、承認の審査をするために必要と判断したときは、その職員に事実の調査をさせることができる(同法6条1項)。
③法務大臣は、承認申請された土地が、通常の管理や処分をするよりも多くの費用や労力がかかる土地として法令に規定されたものにあたらないと判断したときは、土地の所有権の国庫への帰属について承認しなければならない(同法5条1項)。
④土地の所有権の国庫への帰属の承認を受けた者が、一定の負担金を国に納付した時点で、土地の所有権が国庫に帰属する(同法11条1項)。
ただし、国庫帰属の承認を受けたときに、その土地が当制度において引き取ることができない土地の要件(たとえば土壌汚染されている土地など)にあてはまり、それによって国に損害が生じた場合において、当該承認を受けた者が当該事由を知りながら告げずに承認を受けた者であるときは、その者は、国に対してその損害を賠償する責任を負う(同法14条)。当制度の手続きの詳細については、「相続土地国庫帰属法」の項目を参照。
相続に関する諸国の法律はさまざまである。大きな違いの一つは、承継主義と清算主義の違いである。承継主義とは、被相続人(死者)に属していた権利義務が包括的に相続人に承継されることを原則とするものであり、それを前提に、相続人は限定承認や相続放棄によって債務の承継から逃れることを認めるものである。これは、日本法を含む大陸法系諸国(フランス法系、ドイツ法系の国々)の法で採用されている仕組みである。これに対して、清算主義とは、人の死亡により、被相続人に属していた権利義務は、その人格代表者としての遺産管理人または遺言があれば遺言執行人の管理のもとで清算が行われ、プラスの財産が残ればこれを相続人が承継するが、マイナスになれば、破産の場合と同様に債権者の間で遺産の限度でこれを平等に分配し、相続人には影響を及ぼさないというものである。これは英米法系の諸国で採用されている仕組みである。もちろん、それ以外にも、相続人の範囲、それぞれの相続分の割合、相続人資格の喪失条件など多くの点で各国の法律は異なっており、その背景には文化や民族性などの違いが存在するため、世界中の相続法を統一することは困難ないし不可能である。
以上のような法律の相違の結果、相続にいずれの国の法律が適用されるかによって結果に違いが生ずることになる。日本の国際私法典である「法の適用に関する通則法」(平成18年法律第78号)では、第36条で相続の準拠法について定めている。これによれば、相続は被相続人の本国法によるとされている。つまり、死者が死亡時に国籍を有していた国の法による。重国籍者については、その国籍のなかに日本国籍が含まれていれば日本法により、外国国籍ばかりの場合は、その国籍国のいずれかに常居所を有していたときはその国の法により、いずれにも常居所を有していなかったときは、他の関連要素を考慮して重国籍のうちでもっとも密接な関係のある国の法によるとされている(同法38条1項)。他方、無国籍者の場合には、常居所地国法により、常居所が認定できなければ、居所地国法による(38条2項・39条)。また、アメリカ合衆国のように、地域により法律を異にする国が本国である場合には、その国の規則により、またはそのような規則がなければ、もっとも密接な関係のある地域の法による(38条3項)。さらに、「法の適用に関する通則法」第41条によれば、本国法を適用すべき場合である相続については、本国法の国際私法によって準拠法を決定すれば日本法によるべきであるとされる場合には、本国法にかえて、日本法を適用するとされている。これを「反致」という。
「法の適用に関する通則法」第36条は、動産、不動産を問わず、被相続人の遺産はすべて一括して本国法によって処理されることを規定している。このように、相続に関する手続きが相続準拠法により一体的に処理される仕組みを「相続統一主義」といい、日本や大陸法系の国際私法で採用されている。これに対し、英米法系や一部の大陸法系の国際私法では、動産については被相続人の住所地法により、不動産についてはその所在地法によるという「相続分割主義」が採用されている。そのため、たとえば、日本に不動産を残して死亡したイギリス人の相続については、「法の適用に関する通則法」第36条によれば本国法として英国法が準拠法とされるところ、イギリスの国際私法によればその不動産の相続は所在地法である日本法によるべきこととされているので、前記の反致により、日本では不動産相続についてのみ英国法ではなく日本法が適用されることになる(このように一部についてのみ反致が認められることは「部分反致」とよばれる)。
各国の相続法そのものの統一は困難であるとしても、相続に関する準拠法の定め方を統一することは可能であり、必要なことでもある。そうでなければ、どの国で争われるかによって、債務を相続するのか否か、相続人の範囲や相続分などが違ってしまい、不公平な結果が生じてしまうからである。また、そのことを見越して、相続問題の処理をする地を選ぶという操作が行われる可能性があり、そのことをめぐって争いが生ずることにもなる。
国際私法の統一を任務とする国際機関であるハーグ国際私法会議は、1989年にそのための条約として、「死亡による財産の相続の準拠法に関する条約」を作成している(未発効)。この条約の特徴は、前記の「相続統一主義」を採用したうえで、被相続人に一定範囲の法律のなかから自分の相続に適用されるべき法をあらかじめ指定しておくこと(当事者自治という)を認めている点である。その理由として、遺言を作成しても、相続に適用される法がはっきりしなければ、遺言の効果が認められるか否かの予測がつかないことになるので、被相続人の遺志を尊重するために、相続準拠法の被相続人による指定を認めることが望ましいと説明されている。この点は、相続というものをどう考えるかという根本問題に関係することであり、法令を改正して「法の適用に関する通則法」を制定するに際して、この条約にならって当事者自治の採否が議論されたが、結局当事者自治は採用されなかった。
実際の事例では次のような問題が争いの対象となっている。まず、相続の問題として扱うべきか否かが争われることがある。たとえば、日本に所在する不動産の所有者である外国人が死亡し、「法の適用に関する通則法」第36条により被相続人の本国法上相続人となった者が、その不動産の持ち分を第三者に譲渡した後になって、買主に対してその不動産の返還を求めた事件がある。原告となった売主(相続人)は、被相続人の本国法である台湾法によれば遺産分割前の持ち分の処分は相続人全員の同意がなければできず、自分はそのような同意を得ていないので、譲渡は無効であると主張したのである。この事件について、最高裁判所は、共同相続した財産に関する権利関係がどうなるかとか、持ち分を単独で譲渡できるか否かなどの問題は相続の問題であるが、持ち分を第三者に譲渡してしまったときにそれによって所有権移転の効果が発生するか否かは物権の問題であり、物権は目的物の所在地法によるとされているので(同法13条)、日本にある不動産についての持ち分の第三者への譲渡については日本法によるのであって、日本法によれば、前記の持ち分譲渡は有効であると判示している(最高裁判所平成6年3月8日判決、民集48巻3号835頁)。
相続準拠法の適用上の問題として、日本で英米法系の国の法律を本国法とする者の相続が処理される場合、遺産管理手続をどう進めるかという問題が生ずる。日本では承継主義が採用されているので、特別な場合を除いて遺産管理人が選任されることはないが、清算主義をとる法律のもとでは、つねに遺産管理人の選任が必要となる。一般に、手続法は実体法上の効果を実現するために存在するものであるとされ、日本の裁判所としては、外国法に定められたことを可能な限り実現すべく、遺産管理人を選任してその監督に当たるという処理がなされている。
また、外国法の適用結果が日本法の適用結果とあまりに違う場合にどうするかという問題が生ずる。「法の適用に関する通則法」第42条は公序則とよばれ、外国法の適用結果が日本からみてあまりに異質であることと、その事案の日本との関連性の程度との相関関係から、日本の公序良俗の維持のために外国法の適用結果を排除すべきか否かが判断される。たとえば、一夫多妻を法律上認めている国においては、第二夫人にも相続が認められる。そのため、そのような国を本国とする者が日本に財産を残して死亡した場合、日本においても第二夫人以下にも相続が認められるべきか否かが問題となる。まず、そもそも第二婦人との婚姻が有効に成立しているかという問題については、同法第24条1項により各当事者につきその本国法によることになる。仮に日本においてそのような一夫多妻婚をしようとする場合であれば、日本との関連性も大きいため、準拠法上は有効に成立しているとされていても、同法第42条により、そのような準拠法の適用結果は日本の公の秩序または善良な風俗に反するものとして拒否され、一夫多妻婚は認められないことになる。これに対して、婚姻成立時もその後も外国において生活していた夫婦である場合において、夫の死亡後に第二夫人が日本所在の財産に対して相続分を主張する場合には、日本との関連性は薄く、公序則を発動してその請求を否定するまでもないということになる。
なお、遺言をめぐる国際的問題については、項目「遺言」の「国際私法上の遺言」参照。
広義の意味では、財産や地位などの世代的伝達が包括的に相続とよばれる。狭義の意味では、家、土地、財貨などの財産の世代的伝達のみを「相続」とよび、地位、称号、権限などの世代的伝達のほうを「継承」とよんで、両者を概念的に区別して用いる。この区別を明らかにするために、狭義の意味での相続に対して財産相続という用語を、継承に対して地位継承などの用語を用いることもある。日本の家督相続の場合には、「家」に付随する家屋・土地などの財産の相続と、「家」の家長としての地位・身分の継承との二つが含まれていた。そして、現在でも、狭義の意味での相続と継承を区別せずに、両者を一括して、広義の意味での相続という用語を用いるのが一般的である。確かに、相続と継承は相互に密接に関連している場合が多い。しかし、どの社会においても相続の形態と継承の形態がつねに重なり合うというわけではない。したがって、世界各地のさまざまな社会での相続、継承の形態をみるうえでは、両者を概念的に区別して考えるほうが有効である。
相続や継承の対象となるものは、社会によってさまざまである。おもなものとしては、家や土地などの不動産、財貨、家財、道具、家畜などの動産、集団の長などの官職、社会階層の帰属などの地位や身分、称号などがある。このほかにも、祭祀(さいし)、儀礼、呪術(じゅじゅつ)、舞踏、歌謡、種々の技術、それに女性なども相続や継承の対象となることがある。
相続人は、一般に、被相続人と特定の関係にある者、とくに特定の親族関係にある者である。そして、被相続人と親族関係にある者のなかで、どの範囲にある者を相続人とするかに関して、それぞれ社会ごとに、さまざまな法的、社会的規範が存在しており、その結果、共同相続、分割相続など、複数の相続人を認めるもの、長子相続、末子相続、選定一子相続など、相続人を1人に限定するもの、そのほかさまざまな相続の形態がみられることになる。
分割相続の一種である均分相続の場合には、相続対象が分割可能なものであれば、すべての相続人の間でできる限り均等に配分することが求められる。共同相続の場合には、相続対象を分割せず、相続人の共有となる。一子相続の場合には、相続対象の分割は問題にならず、年齢原理により、長子あるいは末子を相続人と指定したり、あるいは別の原理に基づいて一子を選定したりする。また、性別原理を用いて、男子のみ、あるいは女子のみを相続人として認める場合も多い。
これらさまざまな相続や継承の形態は、家族や親族組織の形態と密接に関連している。また、相続や継承は、さまざまな権利や義務の世代的伝達の一つとして考えるべきものである。この点に注目すると、出自原理と相続、継承との関連が重要な意味をもってくる。
一般に単系社会とよばれる社会では、個人は父系あるいは母系のいずれかの系譜をたどって、特定の祖先と結び付けられ、父系あるいは母系の出自集団に属すことになり、それに伴って、さまざまな権利や義務が与えられる。父系社会の場合には、一般に、父系出自集団の成員権、財産や地位に関する権利や義務などが、父親から息子へと伝達される。一方、母系社会の場合には、さまざまな権利や義務は、母親から娘へ、より一般的には、母親の兄弟から姉妹の息子へと伝達される。しかし、単系社会において、すべての権利や義務が単系出自原理によって伝達されるというのは、単なる理念型にすぎず、一般に単系社会とよばれる社会での相続や継承は、実際にはより複雑である。そして、相続や継承の対象となるものごとに、どのような原理によって相続や継承が行われているのかを個々にみてゆく必要がある。この点を明らかにする一例として、ナイジェリアのヤケ人の社会がある。ヤケ社会には二重単系の出自原理がみられ、個人は父系出自集団と母系出自集団の両者に帰属する。そして、男性は父親から土地や家などの不動産を、母親の兄弟からは牛などの動産を相続するのである。
これらの単系社会に対し、一般に双系社会とよばれる社会では、双系出自原理に基づき、父方と母方の双方からさまざまな権利や義務が伝達される場合が一般的である。また、双系社会では、相続や継承をはじめとして、さまざまな権利や義務の伝達が出自原理に基づき一義的に決まることは少なく、そのほかのさまざまな要因に基づき、選択が行われる場合が多い。
しかし、以上のような単系社会、双系社会という類型化は便宜的なものであることを忘れてはならない。集団への帰属、居住形態、相続や継承の形態などは、相互に密接に関連してはいるが、かならずしもすべてがある一つの出自原理に基づいているわけではないのである。
また、相続や継承の形態は、伝達されるものの質や量に大きく左右され、伝達されるものごとに相続や継承の形態が異なってくる場合が多い。したがって、ある一つの社会の相続や継承の形態をみる場合に、長子相続、共同相続などの単純な類型化には限界があるということも十分に認識する必要がある。