新興国、途上国の総称。インド、インドネシア、タイ、トルコ、エジプト、ナイジェリア、南アフリカ、ブラジル、サウジアラビアなどが該当するとされる。その名称に明確な定義はないが、先進国が北半球に多いのに対し、新興・途上国が南半球に比較的多く存在することに由来する。ただし、赤道の南北で厳密に分けているわけではなく、南半球を中心に、北半球に位置するアジア、中米、中東諸国も含む。一方、南半球のオーストラリアなどは該当しない。①グローバル化で貧困・環境・人権問題などのしわ寄せを先進国などから受けている、②欧米、中ロいずれの陣営とも距離を置いている、などの特徴をもつ。このことばは1960年代から、社会経済学などで使われていたが、2022年より開始されたロシアによるウクライナ侵攻で欧米とロシア・中国との対立が深刻となるなか、両陣営と一定の距離をおく国々が外交舞台で存在感を高めて、頻繁に使われるようになった。冷戦時に米ソいずれの陣営にも属さなかった「第三世界」や、先進国と途上国との格差などで使われてきた「南北問題」の南側諸国に類似した概念である。対義語は、北半球に多い先進国をさす「グローバルノース」。
国際連合(国連)は「途上国77か国+中国」をグローバルサウスと分類しているが、2020年以降、先進国の政府やマスコミが中国を除いて使うケースが増えている。総じて経済成長率が高く、アメリカのゴールドマン・サックスによると、国内総生産(GDP)ランキング上位10か国のうち、グローバルサウス該当国が2050年には3か国、2075年には6か国を占めると試算している。代表格のインドは2023年、途上国125か国参加の「グローバルサウスの声サミット」をオンラインで開催し、影響力強化をねらっている。ただ、グローバルサウス各国の政策・戦略は一枚岩ではなく、たとえば、ウクライナに侵攻したロシアへの国連の非難決議にインドネシアは賛成したが、インドや南アフリカは棄権した。