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生没年不詳。鎌倉中期、奈良を中心に活躍した善派の仏師。その作風は当時流行の慶派との関係を無視できないが、やや趣(おもむき)を異にした穏やかさをもつ。現存する作品は1221年(承久3)の十一面観音立像(奈良国立博物館)、1223年(貞応2)~1226年(嘉禄2)ごろの地蔵菩薩(ぼさつ)立像(堀口家旧蔵)、1225年(嘉禄1)京都・海住山寺(かいじゅうせんじ)でつくった東大寺指図(さしず)堂釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)、叡尊(えいぞん)の発願になる1247年(宝治1)の西大寺愛染(あいぜん)明王坐像などがある。これらはみな50センチメートルにも満たぬ小像だが、細緻(さいち)な技巧をみせている。善円、善慶、善春ら善派の仏師たちは、西大寺関係の仕事が多い。