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厚生労働大臣の免許を受けて、医師または歯科医師の指示のもとに、放射線の人体に対する照射(撮影を含み、照射機器を人体内に挿入して行うものを除く)をすることを業とする者(診療放射線技師法2条2項)。略称RT。
診療放射線技師は国家資格である。診療放射線技師になろうとする者は、診療放射線技師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない(同法3条)。国家試験の受験資格を得るには、文部科学大臣が指定した学校や都道府県知事の指定した専門学校(診療放射線技師養成所)で診療放射線技師として必要な知識および技能を修習しなければならない。試験科目としては、基礎医学大要、理工学・放射線科学、エックス線撮影機器学、エックス線撮影技術学、診療画像検査学、画像工学、医療画像情報学、核医学診療技術学、放射線治療技術学、放射線安全管理学および医療安全管理学が指定されている。
診療放射線技師がかかわるおもな業務には、一般X線撮影、マンモグラフィ(乳房撮影)、CT検査(コンピュータ断層撮影)、放射線治療、RI検査(核医学検査)、MRI検査(磁気共鳴画像診断)、超音波検査(エコー)、および画像データの管理などがある。2021年(令和3)、診療放射線技師法の一部改正により、静脈路に造影剤注入装置を接続する際に静脈路を確保する行為などが業務範囲に追加された。診療放射線技師は画像診断や関連する治療に重要な役割を担っており、近年の各医療専門職の活用、タスクシフト/シェアによる医師の負担軽減の流れを背景に業務範囲は拡大しつつある。