高齢者への介護、医療、介護予防、健康、生活支援などを一体的に提供する地域の中核機関。従来の在宅介護支援センターの機能を予防重視型に拡充し、2006年度(平成18)から市区町村に設置を義務づけた。根拠法は介護保険法(平成9年法律第123号)で、運営財源には介護保険料があてられる。地域によって「高齢者あんしんセンター」「おとしより相談センター」などとよばれる。原則、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー〈主任ケアマネージャー〉。介護支援専門員の実務経験5年以上で研修を修了した者など)の三つの専門職職員が常駐し、地域の介護相談員、医療機関、民生委員、ボランティアらと連携し、高齢者やその家族を支援する。支援内容は、(1)要介護になりやすい高齢者に介護予防ケアプランを作成する介護予防ケアマネジメント、(2)ケアマネジャーへの個別指導・相談などの包括的・継続的ケアマネジメント支援業務、(3)高齢者がその地域で暮らしていけるよう多様な相談にのり、地域のネットワークを横断的に活用して支援する総合相談支援業務、(4)高齢者を虐待や詐欺的被害から守り、成年後見制度の活用を促進する権利擁護業務、などである。運営主体は市区町村で、市区町村が社会福祉法人、社会福祉協議会、医療法人などの外部機関に委託するケースもある。政府は中学校区(高齢者人口約3000~6000人)に1か所以上の設置を目安にしており、2023年(令和5)4月時点で全国に約5400か所(相談業務などを行うブランチやサブセンターを含めると約7400か所)あり、このうち市区町村直営が2割、委託が8割を占める。