ジャパンナレッジ
きわめて薄い気体中でおこる放電。真空中では普通、放電がおこりにくく、真空は一種の高絶縁物とみなすことができるが、非常に高い電圧を加えると、やはり放電が発生する。真空の絶縁を利用した装置である真空遮断器や、高電圧をかける真空機器である電子顕微鏡などでは、真空中の放電を抑制する必要がある。かつては真空といっても、かなりの残留ガスがあり、それが放電の原因ともなったが、最近では十分に高い真空が得られるため残留ガスは問題とならず、電極からの放出物質が真空放電を引き起こす原因と考えられている。また装置の形状によっては、壁面に沿って放電する沿面放電が真空放電の原因となることもある。