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昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科に属するチョウ。ヨーロッパ南部、アフリカ、アジア南部からオーストラリアにわたり広く分布し、ハワイにも産する。南北アメリカには分布していない。日本で本種が越冬できるのは、房総半島の南端部(北限)から以南の太平洋岸の無霜地帯である。房総半島以北の地域でも夏から秋にかけて普通にみられることが多いが、これは越冬地から分散した個体かその子孫と考えられる。寒冷地では越冬できずに死滅する。はねの開張31ミリメートル内外。はねの表面は雄では紫藍(しらん)色、雌では黒褐色、前ばねの中央は広く藍(あい)色。裏面は雌雄とも灰白色ないし淡褐色の地色に褐色の波状斑紋(はんもん)があり、和名はこの特徴に由来する。幼虫のおもな食草はフジマメ、アズキ、ソラマメ、エンドウ、ササゲ、インゲンなどの栽培マメ科植物であるが、クズ、クララ、ヤブツルアズキなどの野生植物にもつく。温度条件の許す限り活動し、特定の越冬態をもたない。