日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 大相撲の八百長問題が話題になっている。
 おかげで「八百長」ということば自体も取り上げられるようになり、先日も朝日新聞が「ニュースがわからん!」という記事(2011年2月3日付朝刊)で、「八百長」の語源について触れていた。
 ところが、その記事に「広辞苑などによれば」とあったために、その「広辞苑など」という言い方が妙に引っかかってしまった。というのも「など」とはいったいなんだ

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 近年、この時季になるとスーパーやコンビニの店先で、「恵方巻(えほうまき)」という太巻き寿司の予約ポスターを頻繁に見かける。
 千葉県出身の筆者は、太巻き寿司は食べたことがあるが、「恵方巻」という名称は最近になるまで知らなかった。
 『デジタル大辞泉』によれば、この「恵方巻」は関西地方の風習で、「節分の日に、その年の恵方を向いて食べる太巻き寿司。心の内に願い事をしながら黙って食

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 NHKの朝の連続テレビ小説「てっぱん」にはまっている。最初は、「ふーん、お好み焼きの話か」くらいにしか思っていなかったのだが、小道具をうまく使ったストーリーと、台詞に使われることばの面白さにだんだん惹かれて、いつの間にか毎回見るようになってしまった。
 先日(1月18日放送分)も、「梅根性(うめこんじょう)」ということばを効果的に使っていて、思わず身を乗り出して見てしまった。

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 昨年のNHK大河ドラマといえば「龍馬伝」。1年を通じて福山龍馬がたいへん評判になったようだが、今回話題にしたいのはそのことではなく、「龍馬伝」の「龍」の字のことである。
 「龍」は常用漢字表では俗字である「竜」の字が正字とされていて、「龍」の字は参考として示されているだけである。だから一般的な表記の目安としては「竜虎」「竜宮」「竜神」などのように「竜」の字を使うことになる。

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 「寿(ことほ)ぐ」は、ことばで祝福する、喜びを言う、祝いのことばを述べる、といった意味のことばである。
 「言(こと)祝(ほ)く」から生まれた語で、現在でも「言祝ぐ」と書くこともある。「ほく(ほぐ)」は、よい結果が得られるように、祝福のことばを唱えるという意味である。
 この「ことほぐ」は、日本の言霊(ことだま)思想を反映した語であろうといわれている。言霊とは、ことばにあると

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