日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 TOKYO FM の「シナプス」という昼の番組で、時折ことばの話をしている。先日は夏の美しい日本語を紹介してほしいと頼まれて話をした。
その時取り上げたのは、「銀漢(ぎんかん)」「油照(あぶらで)り」「草(くさ)いきれ」「夏座敷(なつざしき)」の4語であった。  
 放送の前に何語か候補として挙げたのだが、時間の都合でボツになったものがある。せっかくなので、この場を借りてそれ

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 今日は何の日?と聞かれたら、みなさんは何と答えるだろうか。
 江戸好きな人なら、おそらく徳川家康の江戸入府の日と答えるであろう。天正18(1590)年の今日(陰暦8月1日)、家康は初めて江戸城に入ったのである。
 家康の江戸入府よりも前から、この日は「八朔(はっさく)」と呼ばれ、農家でその年に取り入れした新しい稲などを、日ごろ恩顧を受けている主家や知人などに贈って祝う日で

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 会社、事業所などが人材確保のために、卒業予定の学生の採用を早くから内定することを、みなさんは何と言っているであろうか。
 「青田買い」?それとも「青田刈り」?
 似たようなことばだが、そもそもの意味はまったく違うのである。
 「青田買い」は、「水稲の成熟前に、その田の収穫量を見越して先買いすること。」であり、「青田刈り」は、「収穫を急ぐあまり、稲をまだ穂の出ないうち

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 夏の節電対策としてすててこが流行(はや)っているらしい。それも天才バカボンのパパがはいていたようなものではなく、そのまま部屋着にも使えるおしゃれなものが主流だという。
 「すててこ」というのはなんだか愉快な名称だが、語源はご存じだろうか。
 インターネットで「すててこ」を検索すると「ステテコではありませんか?」などと聞いてくるが、外来語ではなく立派な日本語である。もともとは、

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 先日編集部に、同じ漢字なのに一般向けの辞典と子ども向けの辞典では字体が違うのかという質問があった。よくよく聞いてみると、小学生のお子さんがいるお母さんで、一般向けの辞典の「改」と子ども向けの辞典の「改」では

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