日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 読者から、「地面」という語を辞書で引くと見出し語の読みは「じめん」になっているが、「地」という漢字の読みは「ち」なので、正しくは「ぢめん」ではないか、というご質問をいただいた。
 このような仮名遣いに関しての決まりは、1986(昭和61)年7月1日の内閣告示第一号「現代仮名遣い」に記載されている。そこで、それを元に説明しようと思って該当個所を探したところ、ぴったりの部分はあるにはあった

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 日本語の中には、語源はいったい何なのかと気になりだすと、どうしようもなくなることばがけっこうある。たとえば筆者の場合、「うだつが上がらない」の「うだつ」がそのようなことばのひとつである。この「うだつ」のことは、いちおうわかったつもりでいた。だが最近になって決して新しい説ではないのだが、判断に迷うような説を見つけてしまって、心が揺れ動いているのである。
 いちおう納得していたというのは、

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 第210回に続き「舌」の話である。
 前に言ったことがらに反することを、すぐに言ったり、行ったりするときに、非難の気持ちを込めて「舌の○の乾かぬうちに」と言うことがある。この○の部分に入る1字の漢字は、皆さんは何だとお思いだろうか。
 正解は「根」である。

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 NHKの連続テレビ小説『花子とアン』で使われている山梨弁が話題になっているという。昨年の『あまちゃん』で使われた岩手弁の「じぇじぇじぇ」が新語・流行語大賞を受賞したが、今年も受賞することばが出てくるかもしれない。
 最初にひとつお断りをしておく。番組によく出てくる山梨弁のうち、最も新語・流行語大賞に近いと思われる、しっかりの意味の「こぴっと」だけが、『日国』(『日本国語大

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 ことばだけで心や中身がこもっていないことを「○先三寸」というのだが、この「○」に入る漢字は何かおわかりであろうか。答えは「舌」である。だが、「口」と答えた方も多いのではないか。
 文化庁が発表した2011(平成23)年度「国語に関する世論調査」でも、「舌先三寸」を使う人が23.3パーセント、「口先三寸」を使う人が56.7パーセントという逆転した結果が出てしまっている。しかもこの調査では

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